石川のニュース 【8月19日02時51分更新】

バタフライ効果に期待 ジャパンテント開幕

世界77の国・地域の留学生を迎えて行われた歓迎式典=北國新聞赤羽ホール
 「第24回JAPANTENT世界留学生交流・いしかわ2011」(北國新聞社特別 協力)は18日、「ふるさと愛」を総合テーマに開幕し、金沢市の北國新聞赤羽ホールで 歓迎式典が行われた。基調スピーチした開催委員会会長で金沢経済同友会代表幹事の飛田 秀一北國新聞社社長・主筆は、チョウの羽ばたきのような小さな動きの積み重ねが大きな 成果をもたらす「バタフライ効果」に触れながら、「ふるさと愛」を胸に国際交流を地道 に続ける意義を強調した。

 飛田会長はバタフライ効果の一例として、金沢育ちの世界的化学者・高峰譲吉博士が日 米親善を願ってワシントンに贈った桜が有名なポトマック河畔の桜並木となり、寄贈10 0周年の来年、その桜が石川に里帰りすることを紹介。ジャパンテントも留学生にさまざ まな効果をもたらすバタフライだとし、「何もしなければ何も生まれない」と交流の実践 を呼び掛けた。

 式典では開催委員会総裁の谷本正憲知事が東日本大震災以降、「絆」という言葉がよく 使われるとした上で「ホスト家族との絆を通じ、石川県との絆を大事にしてほしい」と語 った。副総裁の山野之義金沢市長が歓迎の言葉を述べ、菅直人首相のビデオメッセージが 披露された。

 留学生は高峰博士の映画「TAKAMINE〜アメリカに桜を咲かせた男〜」(同製作 委員会、本社製作)を観賞した後、加賀・能登各地へ移動した。

 世界77の国・地域の留学生300人が参加し、24日までの7日間、県内全19市町 を舞台にホームステイや伝統文化体験を通じて交流を深める。

 「バタフライ効果」は50年ほど前に米国の気象学者がつくった言葉で、例えば、北京 でチョウ(バタフライ)が羽ばたくとニューヨークで嵐が起きるといったふうに、小さな 動きが思わぬ大きな結果につながるという意味だ。

 留学生がホスト家族やボランティア学生とふるさとを語り合い、お国自慢、お国の紹介 をし合う中で「ふるさと愛」が深まるジャパンテントそのものが、大きな効果をもたらす バタフライだと思う。

 先日の本紙に、留学生を受け入れて今年で11回目になるという小松市のホスト家族の 投書が載った。受け入れた留学生の母国を訪問しながら世界一周をするのが夢だという。 ホスト家族も熱い思いで羽を動かし、留学生を歓迎している。

 留学生の皆さんは石川の各地で、いろんな人とふれあい、伝統や文化を体験する。それ らすべてがバタフライだ。その羽ばたきが将来どんな効果をもたらすか、まだ分からない し、留学生300人それぞれ違うだろう。ただ、最初の羽ばたきがなければ、効果も何も 生まれない。


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