九州電力の松尾新吾会長は8日、福岡県宗像市で講演し、「資源のない日本では今以上に原子力が必要とされる時が来る。日本人はやがてそのことに気付かされる」と述べ、原発は今後も必要と強調した。「やらせメール」問題には触れなかったが、リーダーの条件の一つに「潔く責任を取ること」を挙げた。
全国の高校生約160人が参加する「日本の次世代リーダー養成塾」(塾長・米倉弘昌日本経団連会長)に招かれた。
松尾会長はこの中で、太陽光などの自然エネルギーの発電量には限界があり、火力発電も燃料費の問題でコストが高くなると指摘。福島第1原発事故に言及しつつ「震災を教訓に、より堅牢(けんろう)な(原発)施設をつくるべきだ。日本が原子力に頼らざるを得ないのは明白」と主張した。
またリーダーの資質について触れ、「不祥事が起きた場合、部下や秘書がやった、ではなく、トップは潔く責任を取るべきだ。そうしたリーダーが率いる組織は立派な組織になる」と述べた。
=2011/08/09付 西日本新聞朝刊=