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内部被ばく検査殺到 南相馬市、受け付け中止
 | 南相馬市立総合病院のホールボディーカウンター。検査はいすに座って数分で済む |
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福島第1原発事故を受け、南相馬市が市立総合病院で始めた「ホールボディーカウンター」による内部被ばく量検査に希望者が殺到している。専用電話がつながらないほどの申し込みがあり、8月上旬にいったん予約の受け付けを打ち切った。市は今後、機器を増やす方針だが、測定結果の読み取りには専門知識が必要で、人材不足も課題となっている。
ホールボディーカウンターは、呼吸や食事で体内に入った放射性物質の線量を計測する。市立総合病院は、いすに座って測定する簡易型を鳥取県から借り受け、7月11日から1日40人のペースで検査してきた。 原発事故の発生時に市内に住んでいた人が対象で、申し込みの上、平日の診療時間に検査を受ける。市は、小中学生や局所的に線量の高い「特定避難勧奨地点」付近の住民を優先する方針を打ち出した。 当初は年度内に7000人の検査を予定していたが、8月上旬までの1カ月間で約9000件の申し込みが殺到したため、受け付けを中止した。桜井勝延市長は「事故の影響で医療従事者の数が減った。人員も機器も不足しており、今の体制で大人数を迅速に調べるのは困難だ」と説明する。 市は今後、全身測定型のホールボディーカウンター1台を約5200万円で購入する計画で、さらに県から簡易型1台を借り受け、1日100人の検査を目指す。体が小さく計測が難しい6歳以下の幼児は、無料の尿検査で対応する。必要な人員については、福島県などに協力を要請する考えだ。 住民からは、検査のスピードアップを求める声が寄せられている。市立総合病院の金沢幸夫院長は「要望が多ければ休日に実施することも検討したい」と理解を求めている。
2011年08月19日金曜日
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