JAKEHSは高等学校韓国朝鮮語教育ネットワークの英文名(Japan Association for Korean-language Education at High Schools)の頭文字をとったものです。 高等学校韓国朝鮮語教育ネットワークは、1999年8月に結成された任意団体です。 日本の高校における韓国朝鮮語(「韓国語」「朝鮮語」「ハングル」などと呼ばれていることばです) 教育に関心ある人々が参加する全国ネットです。高校や大学の教員、語学学校や市民講座の講師など、 韓国朝鮮語の授業を担う高校教員とそれを支える人々がJAKEHSを運営しています。
韓国朝鮮語に対する愛情
JAKEHSでは「韓国朝鮮語」という呼称を使っています。 けれども、JAKEHSに参加する個々のメンバーには「韓国語」と呼ぶ人もいれば、「朝鮮語」と呼ぶ人もいます。 ことばの名称に関して、JAKEHSは特定のものを選択して主張することをしなかったのです。 「韓国語」と「朝鮮語」を合わせた「韓国朝鮮語」を用い、メンバー共通の、 このことばに対する愛情と、その普及に向けた情熱を共有することにしました。 朝鮮半島の分断状況に関係なく、南北のことばは同じである。 そのことばを高校生に学んでもらいたいという主張です。
互いのサポート
高校で韓国朝鮮語の授業を担う教員は非常勤が多く、 生徒の募集や授業の維持も周りの教員や教育委員会などのサポートがなければできません。その授業をさらに普及させるためにはより広範な人々の理解が求められます。
個と個の連帯に基づく組織
JAKEHSの運動が成功している要因の一つに、地域ごとの多様さを重んじていることがあります。全国的なネットであって、地域ごとの会員数をめやすに3ブロック(東・西・南)に分けていますが、その区分も固定したものではありません。年に一度全国のメンバーが集まり、韓国朝鮮語に対する思いを共有する、個と個の連帯に基づく組織であることを感じます。
メーリングリスト
メンバー間の連絡に、メーリングリストは欠かせません。彼らがメールを送受信するのは、ほとんどが深夜や週末の時間です。授業記録を公開したり、近況や悩みごとを発信すると、内容やテーマごとに誰かが返信し、
いろいろな授業実践
関西や西日本地域の教員が蓄積した高校の韓国朝鮮語教育の教授法や授業開設の歴史を重んじつつ、1990年代以降、東ブロックや南ブロックの高校で行われている 授業実践例を取り入れて、多様な事業を展開しています。言語学や語学教育的な取り組みだけに限らず、ことばとその授業実践を中心に広く人々がJAKEHSに集まっているともいえます。
教科の枠を越えて
外国語としての韓国朝鮮語の授業と並んで、教科の枠にとらわれずに韓国朝鮮語とその歴史や文化を導入している教師たちがいます。国語表現の時間に日本語と比較して韓国朝鮮語を導入したり、書道の時間に漢字や仮名と並んでハングルを取り入れている教師たちがいます。地理・世界史・英語などの時間の一部で韓国朝鮮語を学ぶことも行われています。 さまざまな形で韓国朝鮮語を取り入れた授業が行われるとき、生徒だけでなく教師や生徒の親たちの「国語」や「日本語」に対する見方が変わってくるはずです。「総合的な学習の時間」や科目の枠を超えた授業は、それぞれの科目が持つ教育的な意味の改変を迫るでしょう。授業の一部に韓国朝鮮語を導入することで「国語」が「日本語」となり、「書道」が「外国語教育」の一角を担う。外国語の学習を多様にすることで、「日本語」をより豊かにできるのではないでしょうか。韓国朝鮮語と日本語の歴史的文化的な近さがそれを可能にするとも言えます。
定例会
全国が同じ活動をするのではなく、日常的には三つの地域ブロックがそれぞれ 2、3ヶ月ごとに定例会を開きながら、独自に活動しています。 JAKEHSとしての一体感を確認するのは、 年1回の全国的な集まりや各ブロックまたはJAKEHSが運営する事業を通じてです。 事業内容は、このホームページの「あゆみ」をご覧ください。
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