転覆事故 安全管理に問題か
K10049921711_1108181838_1108181844
NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

転覆事故 安全管理に問題か

8月18日 18時33分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

浜松市の天竜川で川下りの舟が転覆し、2人が死亡し3人が行方不明になっている事故で、着用が義務づけられている12歳未満の救命胴衣について、転覆した舟の船頭の1人が「暑いから置いておいて」と伝え、着用しないことを認めていたことが分かりました。警察は、安全管理に問題があったとみて捜査を進める方針です。

この事故は、17日午後、浜松市の天竜川で乗客と船頭2人の合わせて23人が乗った川下りの舟が転覆したもので、愛知県豊橋市のダンス講師、木村周子さん(67)と、大阪・堺市の羽根洋子さん(74)が死亡したほか、2歳の幼児を含む3人が行方不明になっています。警察と消防は、18日朝から190人の態勢で、範囲を海まで広げて3人の行方を捜していますが、これまでに手がかりは見つかっていないということです。舟を運航する天竜浜名湖鉄道の名倉健三社長が会見し、転覆した舟の先頭部分に乗っていた船頭から聞き取った話を基に、救命具の扱いについて説明しました。それによりますと、着用が義務づけられている12歳未満の子どもには、後ろの船頭が舟に乗る前に救命胴衣を手渡したものの、「大変暑いから置いておいてください」と伝え、着用しないことを認めていたことが分かりました。舟には12歳未満の子どもが6人乗っていましたが、救命胴衣を着けていたのは1人だけだったとみられています。名倉社長によりますと、救命胴衣を着けていないことは、これまでもたびたびあったということです。これについて、名倉社長は「12歳未満の子どもに救命胴衣の着用が義務づけられていることは知らなかった。救命具の大切さの認識ができていないことが、会社としていちばんの問題だった。反省している」と謝罪しました。一方、警察は、業務上過失致死の疑いで、浜松市の天竜浜名湖鉄道の本社など3か所を捜索しました。警察は、安全管理に問題があったとみて、押収した資料を分析するなどして捜査を進めることにしています。