中津市民病院で産まれて脳性まひになった女児と両親が市に約1億6000万円の損害賠償を求めて福岡地裁小倉支部に起こした訴訟は、市が300万円を支払うことで和解が成立する。24日開会の定例議会に提案する。
17日発表した市によると、05年、福岡県の20代だった女性が入院。翌日、女児は仮死状態で産まれ、くも膜下出血もあり、同院小児科に入院後、集中治療のため北九州市の病院に転院した。
07年11月に提訴した両親らは、担当医が吸引分娩をしたため過大な力が頭部に加わり、くも膜下出血になったのが脳性小児まひの原因とし、「速やかに帝王切開するべきだった」などと主張。中津市側は「当時、帝王切開など手術の即応態勢がなかった」などと争っていた。
市は同支部の和解勧告に応じたことを「関係者の精神的負担や女児の身体的状況を考慮した」としている。【大漉実知朗】
毎日新聞 2011年8月18日 地方版