東京電力は18日、福島第一原子力発電所内の高濃度の放射能汚染水を浄化する新たな装置、通称「サリー」の本格運転を始める。米キュリオン社のセシウム吸着装置や仏アレバ社の薬液による除染装置と組み合わせて使い、汚染水浄化の安定性向上を目指す。
サリーは東芝などが開発した。セシウム吸着装置に似た構造。合成ゼオライトとチタンケイ酸塩を詰め込んだ円筒形の容器に汚染水を流し、放射性物質を除去する。当面は、セシウム吸着装置と除染装置、サリーの三つの装置を直列につなげて、汚染水を浄化する。
直近1週間の汚染水浄化装置全体の稼働率は88.3%。サリー導入により、他の装置が停止中でも、汚染水浄化ができるようになるため、稼働率の安定が期待される。(今直也)