「毎日徹夜、睡眠薬で仮眠、撮影現場は地獄」(下)
後進的なドラマ制作システム
「第2、第3のハン・イェスル」は避けられない
6月に終了したMBC『最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~』でヒロインを演じたコン・ヒョジンは、あるインタビューで「撮影現場は地獄だった」と言った。「日曜日から金曜日まで徹夜で撮影が行われ、睡眠時間は3時間くらい。仮眠しようと睡眠薬まで飲まなければならなかった。わたしは、当日放送されるシーンをその日の午前に、相手方俳優(主演のチャ・スンウォン)はその日の午後に撮影することもあった」と告白した。
撮影の全権を握っているプロデューサーの問題も取りざたされている。『スパイ・ミョンウォル』の出演者の関係者は「プロデューサーは台本より多めに撮影しておきながら、放送しないことが多かった。かなりの出演者がこれを強く不満に思っていた」と話す。昨年、SBS『ジャイアント』に出演した俳優の関係者も「台本がその場で書き直される上、プロデューサーまでが常識的な範囲を超え、撮影・撮り直しを繰り返すため、俳優は台本を覚える時間もなかったし、睡眠も取れなかった」と証言した。
このような「ほとんど生放送と言ってもいいほどの撮って出し」は、放送に支障を来す事態につながる。メーンキャストに何かがあれば、すぐに放送に穴が開いてしまうことになる。代表的な例が、主演のチョン・ウソンとパク・シネが交通事故に遭ったため、通常放送ができなかったSBS『ATHENA-アテナ-』とMBC『オレのことスキでしょ。』だ。2007年には、「SBS『王と私』に出演している妻チョン・インファが、台本の遅れで撮影現場で苦労している」として、タレントのユ・ドングンがスタッフと衝突するという出来事があった。
■視聴率に縛られる構造を改善すべき
ベテラン俳優のイ・スンジェは16日、ハン・イェスル騒動について「俳優はどんな理由があっても現場を離れてはならない」と言いながらも、「それよりも優先すべきなのは、制作環境を変えることだろう」と言った。長年の課題だが、ドラマ関係者は「事前制作システム」の早期導入が解決につながると口をそろえる。
あるテレビ局のプロデューサーは「視聴者の反応に応じ、ドラマ展開や結末が変わるのが韓国ドラマの現状。事前制作はまだ無理」と言う。事実、『ロードナンバーワン』(2010年、 MBC)、『パラダイス牧場』(2011年、SBS)といった事前制作ドラマのほとんどが視聴率が振るわなかった。
そうは言っても、「今のシステムが続けば共倒れになる」(全北大学新聞放送学科キム・ソンス教授)という声が多い。キム教授は「テレビ局が方針としてドラマの回数を減らしたり、制作慣行を変えたりするなど、特別な措置を取らない限り、ドラマの質はますます落ち、視聴者にそっぽを向かれてしまう。そうなればドラマ市場も大きな打撃を受けるだろう」と指摘している。
鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
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