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市民の政治参加を望まないマスメディア

BLOGOS編集部

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市民の政治参加を望まないマスメディア
上杉隆氏(自由報道協会主催会見 著者撮影) 写真一覧(6件)
ジャーナリスト関連4団体による公開討論会後、記者会見が行われた。「政治不信」を煽り、投票率を下げようとするメディアスクラム。警察とべったりな記者クラブの面々。政府からの情報をそのまま流す「発表ジャーナリズム」に漬かりきった新聞社。ここでも、メディアの問題点が浮き彫りになった。【取材・構成・撮影 田野幸伸(BLOGOS編集部)】


出演者


日隅一雄氏
元産経新聞記者・弁護士、「News for the People in Japan」編集長
高田昌幸氏(会見開放を求める会)
今年6月で北海道新聞を退社、過去に北海道警察の裏金問題を暴いた。
上杉隆氏(自由報道協会 代表)
衆議院議員秘書、ニューヨークタイムズ記者などを経て独立。
森広泰平氏(アジア記者クラブ 事務局長)
世界中のジャーナリストをつないで、発信している。

質疑応答



Q:既存メディア、フリーランスがどう変わっても、情報の受け手の意識が変わらなければ、結局変わらないのでは?

日隅:実はそれもメディアを変える仕組みの一つ。(世間は)意識の高い人ばかりではない。マスメディアから受ける影響が圧倒的に大きい。選挙が近づけば「政治不信」「政治に嫌気」とメディアは煽り、選挙に足を運ばせない方向に誘導している。政治活動をするのは特殊なこと、カッコ悪い事というイメージをつけるのもマスコミ。そんなことを欧米で言ったら子供扱いされる。

ところが今の日本は、政治活動よりお笑いやってるほうがモテると、そう誘導されている。海外のお笑いは毒があり、風刺がコメディアンの役割。コメディアンは政治に詳しく、それをネタにする。上杉さんがやっているようなこと。上杉さんは海外では優秀なコメディアンなんですよ。(一人ひとりが)「考える」事が必要なこと。考えれば問題提起も、解決方法を議論することもできる。


Q:先ほど、メディアに対する監視が必要という話があったが、本来メディアの役割は権力の監視と言われていて、政府や東電に対しての監視はフリーの皆さんの力である程度できているが、権力として最も強い「警察」という権力に対して、記者クラブに属さないフリーは、取材のハードルが高い。警察権力に対して、どうやって取材・監視していけばいいと考えるか?


日隅:一つは、情報公開制度。警察取材以外にも幅広く使える。今の制度では一番。これを利用して記事を書いて信頼を得ていけば、(内部から)タレコミが来るようになる。


高田:非常に難しい問題。会見開放の会を立ち上げた時に、官房長官の会見が開けば、この会の目的は達成だと話したのですが、仮に全ての会見、記者室が開放されたとして、最後まで開かれないのは警察。もしくは防衛庁、自衛隊。もし、警察が開かれる可能性があるとしたら。自由に使える記者室を警察の中に置くこと。フリーが取材できないのは、警察の建物内に入れないから。記者室に通うことが出来れば、突破口にはなる。可能性はゼロに近いが。日本の事件報道は逮捕から始まり、通常は逮捕状一枚で最大23日間拘束可能なので、その間に集中豪雨的に捜査本部に寄り添った報道が行われる。そもそも、そういうものが事件報道なのか。事件報道イコール警察の捜査情報報道ではないと考えている。
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