けさの朝日新聞の経済面に「原発どうする」という記事が出ているが、そこに出てくる澤昭裕氏から飯田哲也氏まで7人の専門家の意見は「原発の穴を埋めるのは天然ガス」ということでほぼ一致している。朝日が社説で主張している「できるかどうか考えないで原発をゼロにしよう」などという専門家は一人もいない。
原発については、古いものを廃炉にして依存度を少しずつ下げていくという意見が多いようだ。その代わりは化石燃料や地熱で、クリーンコールといわれる石炭液化技術を使うという提案もある。太陽光や風力は環境対策であり、エネルギー源としては役に立たない。
おもしろいのは、ヒステリックに「原発ゼロ社会」を主張する朝日の論説委員に対して、経済部は一貫して現実主義であることだ。日経も「多様な視点から原子力の議論重ねよう」という安定供給重視の方針で、読売も同じような論調だ。事故から5ヶ月たって、少なくとも新聞の論調は常識的な線に落ち着いてきたようにみえる。
福島第一事故の大きな原因は、マークⅠというGEの古い原子炉を使ったことだ。このタイプは格納容器が小さいため、圧力容器で事故が起きて水蒸気が大量に発生した場合、格納容器の中で処理できず、「ベント」が必要になる。しかしこれは放射能を外気に出すので、その判断をためらっていると水素爆発が起こる――と1970年代から専門家は警告していた。
マークⅠは、福島第一以外にも、女川1号機、敦賀1号機、島根1号機に採用されている。だから本当の安全対策は「脱原発」ではなく、こうした40年以上たった古い原発を安全性の高い「第3世代」に替えることである。新規立地は不可能でも、すでに地元の合意を得ている既存の原発を安全な施設にすることは検討されてよいだろう。地元の反発を恐れて、古い原発を使い続けるのが最悪の選択である。
おもしろいのは、ヒステリックに「原発ゼロ社会」を主張する朝日の論説委員に対して、経済部は一貫して現実主義であることだ。日経も「多様な視点から原子力の議論重ねよう」という安定供給重視の方針で、読売も同じような論調だ。事故から5ヶ月たって、少なくとも新聞の論調は常識的な線に落ち着いてきたようにみえる。
福島第一事故の大きな原因は、マークⅠというGEの古い原子炉を使ったことだ。このタイプは格納容器が小さいため、圧力容器で事故が起きて水蒸気が大量に発生した場合、格納容器の中で処理できず、「ベント」が必要になる。しかしこれは放射能を外気に出すので、その判断をためらっていると水素爆発が起こる――と1970年代から専門家は警告していた。
マークⅠは、福島第一以外にも、女川1号機、敦賀1号機、島根1号機に採用されている。だから本当の安全対策は「脱原発」ではなく、こうした40年以上たった古い原発を安全性の高い「第3世代」に替えることである。新規立地は不可能でも、すでに地元の合意を得ている既存の原発を安全な施設にすることは検討されてよいだろう。地元の反発を恐れて、古い原発を使い続けるのが最悪の選択である。