24年前、大韓航空機はどのように爆破されたのか(1/5)

「爆弾を持って飛行機に乗ったら“ようこそ”とあいさつされた…そのとき初めて南の人を見た」

 「実際に私を初めて見た人は、誰もが“若いころはふっくらしていたのに”と言う。テレビの画面では、実際より大きく見えたせいもあるのだろう。かなり長い歳月が流れたが…」

 国家安全企画部(安企部、現在の国家情報院)に保護されていたとき、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚に拳銃射撃をさせたところ、百発百中だったという。工作員時代、男性1、2人を相手にできるほど優れた格闘の実力を持っていたとのことだ。金元死刑囚は背筋をピンと伸ばして座っていた。24年前のバグダッド空港に戻るときが来た。

-爆破を目的として大韓航空の858便に搭乗した。そのときどういう感情を抱いていたか、覚えているか。

 「平壌の東北里招待所で“南朝鮮(韓国)の飛行機を吹き飛ばせ”という任務を命じられた。1988年のソウル・オリンピック開催を前に、南朝鮮かいらいの“二つの朝鮮”策動を防ぎ、敵に大きな打撃を与える。敵後(敵の背後)で任務を遂行しなければならないということだけを考えていた」

-とはいえ、当時あなたは25歳と若かった。

 「工作員として初の任務だった」

-それなのに?

 「実際、金勝一(キム・スンイル)おじいさん(工作のパートナー、当時の推定年齢74歳)が薬をくれた。飛行機に乗ると、韓国語で“ようこそ”とあいさつされた。工作員になる訓練を7年8カ月にわたって受けたが、そのとき初めて南朝鮮の人を見た。私は正体がばれるのではと思い、ハラハラした」

-飛行機に乗っていたのは、韓国から中東に出稼ぎに行っていた労働者がほとんどだった。罪もない人間を殺すというのは…。

 「北朝鮮で作戦を研究した際、外国人が乗らない航空機を狙った。国際問題にならないように」

-3年ぶりに韓国に帰国する人々が韓国語で話しているのを聞いたか。

 「後ろから3番目の席に座った。隣の席には西洋人が座っていた。目を閉じると、韓国語が聞こえてきた。会社の話をしているようだった。夕食を終えると、皆眠りに就いた。少し動揺したが、中央党がしっかり理解した上でこの任務を与えたのだろうと思った。統一のためには犠牲を払わなければならないという、革命家としての決意を固めた」

法廷に立つ金賢姫被告(当時)。/写真=パク・チャンスン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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