泊3号機営業運転 道民ら「茶番」「仕方がない」
(08/17 18:40)
高橋はるみ知事が北電泊原発(後志管内泊村)3号機の営業運転再開を容認する見通しとなった17日、道庁前では朝から「脱原発」を掲げる市民団体が「道民不在の再開を許すな」と訴え、同原発の地元住民からも「慎重な判断を」との声が上がった。一方で、道行く人々からは「電力不足が心配」と知事の方針を支持する声や、「議論は茶番で関心がない」という声も聞かれた。
札幌市中央区の道庁北門前では午前8時から約40分、脱原発を主張する市民団体「Shut泊」(札幌)や道労連の関係者約20人が「知事は、まず道民の声を聞け!」と書かれた横断幕を掲げた。
Shut泊の橘晃弘さん(53)は、16日の道議会で知事に慎重な対応を求める声が相次いだことを挙げ、「運転再開を容認できるような雰囲気ではないはず。知事は道民の意見を時間をかけて聞くべきだ」と強調。関係者とともに「運転再開を許すな」とシュプレヒコールを上げ、福島から避難している人のメッセージを添えたビラ300枚を通勤する道職員などに配った。
福島県伊達市から妻と子供たち4人の計6人で北海道旅行に訪れ、道庁近くを通りかかった会社員板垣由弘さん(45)は「放射能を気にせず、おいしい空気を子供たちに吸わせてあげたいと思って北海道に来た。その北海道で原発の運転再開が議論されているのは悲しい」と話した。
泊原発の地元でも懸念の声が上がった。泊村の男性(67)は「国の方針だから仕方ないとは言え、北電が3年以内に行うと説明している津波対策がまだできていないのに、本当に安全と言えるのか疑問だ」。岩内町の幼稚園長平宏史さん(57)も「知事は地元のトップにだけ意見を聞くのではなく、広く住民の声に耳を傾け、慎重に判断してほしかった」と語った。
一方、札幌の中心部を歩いていた札幌市東区の主婦伊原良江さん(67)は「原発がないと電気が足りなくなる心配がある。原発反対ばかり言っている人たちには共感できない」と話した。
同市西区の無職三浦弘昭さん(53)は「一般市民がいくら声をあげても、上が勝手に決めてしまう。容認するかしないかなんて茶番で関心がない」と、冷めた表情だった。
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