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岩手・平泉大文字送り火:倒壊家屋を火床に使用

岩手、宮城両県の被災地のがれきも使って行われた平泉大文字送り火=岩手県平泉町で16日午後8時14分、須賀川理撮影
岩手、宮城両県の被災地のがれきも使って行われた平泉大文字送り火=岩手県平泉町で16日午後8時14分、須賀川理撮影

 「平泉の文化遺産」が世界遺産登録された岩手県平泉町で、送り盆の16日夜、先祖の霊を供養する「大文字送り火」があった。

 今年は震災の犠牲者を悼み、被災地で倒壊した家屋の木材などを火床に使用。束稲山(たばしねやま)の駒形峰(397メートル)中腹に「大」の字が浮かび上がると、見物客らは静かに手を合わせた。

 奥州藤原氏が束稲山を京都の東山に見立てて都市づくりをしたことにちなみ、平泉観光協会が1965年から開催している。大文字は縦180メートル、横260メートル。職員らが岩手県洋野町から宮城県南三陸町までの14市町村で集めた家屋の柱など約3200本のまきで組んだ火床64基でかたどった。中尊寺本堂の「不滅の法燈(ほうとう)」から火種を分火し、町民らが駒形峰までの7キロを運んだ。

 畠山勝彦・協会事務局長は「京都の大文字騒動は残念な結果だった。震災犠牲者を供養するのが私たちの役目だ」と話した。【湯浅聖一】

毎日新聞 2011年8月17日 東京朝刊

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