ケビン・メア元米国務省日本部長の県民に対する差別的な「怠け者」発言を告発した米アメリカン大学のデービッド・バイン准教授が来沖し、6日までに沖縄タイムスの取材に応じた。同准教授は「米軍基地の現状が、沖縄の人への優越感や差別につながっている」と指摘し、メア氏個人の問題で終わらせるのではなく、沖縄に重い負担を強いる基地政策を見直すべきだと訴えた。
取材の冒頭、メア氏の発言が沖縄の人々を傷つけたとして「米国市民の一人としておわびしたい」と気持ちを込めたバイン准教授。
メア氏が県民の性格を「島国根性」と呼び、プエルトリコ人との人種差別的な比較をしたことは「侮辱以外の何ものでもない。双方の植民地化の歴史を無視した偏見的見方」と断じた。
その上で、メア氏の見方や考えは一人で学んだものではないとし、「公式には本土復帰で占領は終わったが、非公式には今も占領が続いている。沖縄の基地政策の裏で長く伏せられていた態度や思考が出たもの。日米両政府の政策とメア氏の個人的問題が重なり生まれた発言だ」と語った。
バイン准教授は海外の米軍基地を研究する社会人類学者として、国際会議「占領下における対話」に参加するため来沖した。
海外米軍基地と沖縄との共通点について「ヘリや航空機騒音、犯罪や事故、レイプ、環境破壊を強いられている。沖縄もその一つで、白人や西洋人に対しては考えられない差別的政策だ」と強調。英国が米軍へ提供するために全島民を追い出したディエゴガルシアや米イージス艦の母港となる韓国済州島の海軍基地建設への反対運動を報告する。(知念清張)