さて、普段このブログではパソコンに関連したニュースや愚痴などを垂れ流しておりますが、
このブログを立ち上げた大きな目的に「
BOINC参加者を増やす」というものがあります。
■概要
BOINC (Berkeley Open Infrastructure for Network Computing)は、
ボランティア/グリッド・コンピューティングのためのオープンソース・ソフトウェアで、
windows/Mac/Linuxで使えるソフトウェアです。
自宅のパソコンを使って
宇宙人を探したり、がんの治療薬の開発に関わったり、天の川の星々の3D地図を作ったり・・・
そんなことができるなら、やってみたいと思いませんか?
自宅が地震観測基地として活躍したり、パソコンの中で人工知能を育ててみたり・・・
そんなことにロマンを感じませんか?
そんなことを可能にしてくれるのがBOINCなのです。
■背景
最近の一般的なPCでは電源が入っている間は80%強の余力が残っており、
そういった有り余る計算資源をボランティアとして提供することで
全体としてスーパーコンピュータ並の性能を持つ計算機として活躍するのです。
ちりも積もれば山となる、というやつですね。
主催者側としては、
たとえば薬の開発プロジェクトでは、シミュレーションで分子構造を絞り込む作業を行うことで実際に試作する薬品の種類を大幅に減らせて、開発時間が短縮できます。
また、地球シミュレータのようなスパコンを借りるには非常にお金がかかるのです。その経費が削減できます。
これらのことから、BOINCに参加することにより薬の開発コストを下げることができます。
また、BOINCで得られた結果は基本的に主催者側が公開する取り決めになっていますので、他の企業も特許料なしor格安で同じ薬を作れるため、
自分が病院にかかったときの負担費用、ひいては社会全体の医療費削減にもつながります。
以上のような主催者側・参加者側のメリットがあり、このBOINCは成り立っています。
■具体的にどんなことができるか
背景のような理由から、現時点でさまざまなプロジェクトがBOINCを活用しています。
・
プロジェクト一覧100を超えてるのでここで一つ一つ触れることはできませんが、有名どころを挙げておきます。
<医療系>
・
World Community Grid(薬の開発・太陽光発電機の構造最適化・イネの遺伝子組み換えによる高効率化など)
・Rosetta@home
(たんぱく質構造を解析し、ガン・エイズ・マラリアなどの治療薬開発に貢献する)
<天文学系>
・
SETI@home(電波望遠鏡を使って宇宙人を探す)
・Einstein@home
(「一般相対性理論」で予言されている「重力波」を検知する)
<数学系>
・
PrimeGrid(素数の探索)
・
Collatz Conjecture(コラッツ予想を解く)
といったものがあります。
家にいながらにして様々な研究に携わるという、まさにITのおかげで体験できる知的好奇心をくすぐるソフトウェアがBOINCなのです。
また、これらすべてに参加しなければならない、というわけではなく
自分が興味を持ったプロジェクトにだけ参加することが可能です。
少しの量だけでもボランティアを行ってくれる人が寄り集まって非常に強力な計算能力を発揮するので、
最新スペックじゃなきゃだめ・24時間付けっぱなしで参加しなきゃだめ、ということはありません。
あくまでボランティアなので、自分の出来る範囲でやればいいのです。
■功績値について
また、それだけでは面白くない!という人のために「
功績値」という点数が設けられていて、
どれだけの計算量をボランティアとして費やしたか、というのが数字でわかるようになっています。
この点数を競うことを目的にしている人も中にはいますが、そういう楽しみ方も大いにありだと思います。
自分が楽しめて人の役に立っているのならそれでいいのではないかと。
功績値について詳しくはこちらの記事で
・
BOINCのお話 功績値について
■GPGPUについて
また、GPUを使って計算を行うGPGPU対応のプロジェクトもあります。
”GPGPU”とか"CUDA"という単語を耳にしたことのある方もいらっしゃるかと思いますがまさにそれです。
パソコンに関して全く知識のない人にはおすすめできませんが、脱初心者な方からは大丈夫かと思います。
詳しくはこちらの記事で
・
BOINCのお話 GPUでプロジェクトに参加しよう 編■まとめ
・BOINCとは自分のPCでボランティアに参加できるソフトウェアである
・ボランティア内容(プロジェクト)は医療・天文学・数学などの多岐にわたる分野
・自分が興味を持ったプロジェクトに好きなだけ・好きなペースで参加できる
以上かなり簡潔に書いてみましたがいかがだったでしょうか?
「この分野って面白そうだな・関わってみたいな」という方や
「パソコン買ったけどこんなに性能いらなかったな。なんか役に立てられないかな?」
なんて思ってる方がいたらぜひ参加してみて欲しいと思います。大歓迎です。
導入方法などはTeam 2ch wikiに詳しく紹介されているので、そちらをご覧ください。
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