
ロッシー (2011年8月7日撮影 於 静岡・日本平動物園)
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前投稿よりの続き)
(2)ヴァニアの購入金額について約5700万円 (雑費を入れれば約6000万円) という金額ですが、これは確かに相場を大きく上回る金額だと思われます。 いくらホッキョクグマの価格が上昇していたにせよ、現在の相場ではどれほど高くても1頭(雌)最高で2500~3000万ほどではないでしょうか。
(*後記 - 今年4月の情報で動物園関係者が言うには、ホッキョクグマ1頭の現在の価格は20万ドル、つまり約1600万円だそうです。ただし性別についてはこの情報では触れていませんが、多分雄の個体のことでしょう。) しかし私に言わせればこの金額がどうこうといった以上に興味のあることがあります。 それは、この現在「金の卵」である2歳半になるヴァニアですが、いったい今までどこの国のどの動物園も彼女に食指を伸ばさなかったのだろうかということです。 今回のこの静岡の爬虫類屋が初めてヴァニアを「発見」したなどというはずがありません。
まず考えうるのは中国の施設です。 必ず彼らはこのヴァニアを購入しようとしていたに違いありません。 その購入が実現しなかったことについては、価格面と彼女の血統の2つだったと思われます。 中国の施設にはサンクトペテルブルクのウスラーダの息子たちが5頭暮らしています。そういった状況で繁殖を狙ってウスラーダの姪であるヴァニアを購入することは意味がないわけです。このバンコクの施設は国際血統登録をしないことによってヴァニアの血統を隠そうとしたでしょうが、中国はヴァニアの血統を調べたに違いなく、よって彼女の「値段」の高価さも大きな障害となって彼女の購入には至らなかったと考えるべきでしょう。
次に日本の施設です。 ヴァニアの存在を知っていた可能性があるのは秋田県(GAO)と大阪の天王寺動物園(及びそのタニマチ)の2つでしょう。 後者については購入予算の獲得は不可能のはずで資金・情報の全てをタニマチ頼みだったでしょうが、仮にヴァニアの存在を知っていたとしてもこの金額ならばさすにタニマチの豚まん屋も首を縦に振らなかったでありましょう。 しかし仮に天王寺動物園(及びタニマチ)がヴァニアを狙っていたとしてもそれはすでに昨年のことだったでしょうし、天王寺動物園(およびタニマチ)が現在に至るまでそこまで情報収集力と政治力をもって俊敏な動きができたとも到底思えません。
問題は前者、すなわち秋田県です。 私が推測するに秋田県はこのヴァニアあるいはそのツインズのもう1頭(多分雄)に食指を伸ばしたことは99%確実だろうと考えます(あくまで未確認情報ですがその形跡があります)。 仮に秋田県がヴァニアを入手できれば、現在GAOで豪太とパートナーを組んでいるクルミに出産がなかった場合、次の豪太の相手として2~3年後に豪太とヴァニアのペアを実現させようと考えたことは確実と思われます(血統的にも豪太とヴァニアは近親交配になりません)。 豪太の場合は雌のパートナーの血統を考える必要がない(つまり豪太と近親交配となる雌は彼の1歳半になる現在中国にいるはずの彼の妹と豪太の母親であるモスクワのムルマの2頭を除けば世界中に存在しない)からです。それまでの2~3年間、つまりヴァニアが繁殖可能になる年齢までヴァニアを釧路市動物園に預けるという選択肢を取ることが釧路市との友好関係によって可能なのです。 そしておそらく先方のタイ側から約6000万円という金額の提示を受けたことも確実だと推測します。 しかし何故かこれは実現しなかったのです。秋田県がヴァニア(あるいは釧路のツヨシのパートナーとしてヴァニアの弟)を入手しなかった理由は約6000万円という金額以外に見当たりません。秋田県の一般会計当初予算は約6021億円、静岡市の一般会計当初予算は2762億円です。 2倍以上の開きがあります。そして秋田県の知事さんはホッキョクグマ購入に関して強い意欲とリーダーシップを持つ知事さんです。ですから購入しようとすれば静岡市よりも金銭的なやりくりの余裕はあったわけです。 しかし秋田県はこの約6000万円という購入金額を飲まなかったのだと推測されます。 それは当初予算にそこまでの金額を見込んでいなかったということが主な原因でしょうけれど、秋田県の知事さんは静岡市の市長さんよりもずっと良識があったということだと思われます。
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続く)
(資料)
秋田県 総務部財政課
平成23年度予算静岡市
平成23年度当初予算 補正予算(過去関連投稿)
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