【ニューヨーク=小高航】米小売り各社に消費の先行きへの警戒感が広がっていることが浮き彫りになってきた。16日発表した5~7月期の決算は足元の堅調さを示したものの、経営トップからは株安を受けた富裕層の出費抑制への懸念から「秋商戦は慎重にみている」(高級百貨店サックス)などとする発言が続出。世界最大手ウォルマート・ストアーズも消費者心理の悪化などを指摘している。
ウォルマートの5~7月期は純利益が6%増の38億ドル(約2900億円)、売上高が5%増の1094億ドルだった。海外事業がけん引し増収増益だったが、注目された米国内のディスカウントストアの既存店売上高は0.9%減と、9四半期連続で減少した。
だが、マイク・デューク最高経営責任者(CEO)は16日、消費者の変化を挙げ「家計の予算を絞り、有名ブランドではない缶詰を買ったり、半分のサイズの牛乳を買ったりしている」と指摘。「消費者は依然苦しんでいる」とも分析した。
米国では一部の格付け会社が米国債を「トリプルA」から格下げしたことを機に株式相場の低迷が続いている。家計の保有金融資産の減少が米国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費の萎縮へと波及していくという懸念も根強い。
足元の堅調さにもかかわらず今後の見通しを慎重に見極める姿勢は、米国を中心に高級百貨店を展開するサックスも同じ。5~7月期決算では、売上高が13%増の6億7000万ドル、最終損益が800万ドルの赤字。5~7月は例年、販売が低調な時期だが「(値引きなしの)正規価格での販売が増えた」(同社)ことから既存店売上高が15%増え、赤字幅も縮小した。
こうした業況を踏まえたうえで、同社のスティーブン・サドブ会長兼CEOは声明を発表。「(格下げなど)最近になり金融市場やマクロ経済の不透明さが増している。秋商戦は少し慎重に臨む必要があり、支出や投資を精査する」と述べた。
5~7月期の純利益が14%増、売上高が4%増となったホームセンター最大手ホーム・デポも「2011年中は米国の住宅市況の改善は見込めない」との見通しを示している。
ウォルマート・ストアーズ、CEO、決算、先行き懸念、ホーム・デポ
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