また今回の投票は、インターネットによって16日間及ぶ期間中、24時間体制で行われた。日付別投票数の推移を見ると、最も投票数が多かったのはCD発売初日の7万7260件(投票は発売日の前日、5月24日にスタート)。そこからいったん投票数が減り、締め切り日が近づく6月4日頃から再度上昇。最終日前日に7万3202件、最終日には7万2258件の投票があった。時間帯別投票数も集計すると、最も投票が多かったのは20時~22時にかけて。夕食後や帰宅後の“自分の時間”を使って投票していることがわかる。
調査を行った「政治山」は、「高い投票率を記録した要因として、何よりもファンによる強い支持が挙げられますが、その他の要因として、インターネット投票による貢献が挙げられます」「コアなファン層が10~20代であるという前提はあるものの、若者の投票数の多さをみると、国政選挙や地方選挙における若年層の投票率向上を図る上では、投票手段としてインターネットを活用することは有効かもしれません」と総評している。
確かに、自宅で好きな時間に1票を投じられるインターネット投票でなければ、投票数が116万票超まで伸びることはなかっただろう。その背景にはAKB48のファン層が、インターネットを使ってコミュニケーションを取ったり、ネットショッピングをしたりすることに抵抗のない世代だったことも投票率の高さにつながったと思われる。
同社では今春にも、「普段投票しない20~30代の約8割が『ネットなら投票』する」と回答したアンケート結果を発表している。実際の選挙をネットで行うにはもちろん多くの課題がある。しかし、ネットを通じての“投票”が次第に身近なものになってきているのは事実のようだ。
(プレスラボ 小川たまか)