12月21日(月)、国家基本問題研究所・訪韓団は、ソウル市郊外にある国防大学校・安保問題研究所を訪れ、崔鐘澈(チェ・ジョンチョル)所長はじめ同研究所メンバーと意見交換した。
軍の研究機関という立場上、あるいは仕事上、彼らは、北朝鮮急変事態(金正日急死、クーデターなど)に際し、最悪の事態、すなわち中国が軍事介入してくる事態を大前提として、さまざまに対応を考えているようだ。
「中国はいかなる理由を付けても介入してくる」―崔所長はそう断言した。
冒頭、国基研側からは、「日韓は、自由主義の理念によってアメリカを引き付けねばならない」(田久保忠衛副理事長)との問題提起を行った。
これに対し崔所長も、「鳩山政権のせいで、アメリカが中国に近づくのでは」「中国の民主化が日米韓の課題」「共産党独裁の中国が世界の覇を取れば大問題」と応じた。
翌朝ホテルの会議室で面談した政府系研究機関、統一研究院の徐載鎮(ソ・ジェジン)院長は、「中国が介入しない要因もある」として、「今や中国は、世界全体を見つつ損得勘定をしている。朝鮮半島でどこまでアメリカと対立すべきか計算してくるだろう」と述べた。
また同氏は、北のトップ層は中国を嫌い、その政治的影響力を恐れているため、簡単に介入要請はしないだろうとも指摘した。
なお、同席した韓国保守派の雄、趙甲済氏によれば、「韓国における反中感情は、見えないが、根が深い」とのことである。
いずれにせよ、中共の介入を強く牽制する政治的努力が日米韓において必要だし、仮に介入した場合でも、できるだけ早く撤退させるべく圧力を掛けつづけねばならない。
両会合において、今後その点の共同研究を進めようとの結論になった。
国防大学校にて意見交換。
国防大学校正門
鳩山官邸に借りて帰りたい「校訓」の額
国防大学校からの移動には一部バスも利用
左端が徐載鎮統一研究院長、続いて韓国保守派の雄、趙甲済、洪熒両氏。