東京電力福島第一原子力発電所の事故で、「緊急時避難準備区域」にある学校周辺の通学路などの放射線量を細かく示した地図が作製され、国は、区域の解除に向けた除染の計画作りなどに活用してほしいとしています。
この地図は、国が「緊急時避難準備区域」に指定されている5つの市町村のうち、測定ポイントが少なかった楢葉町を除く4つの市町村について作製しました。地図は今月9日に一度公表されていますが、今回はおよそ4倍に拡大され、学校や児童施設の周辺、それに通学路などの放射線量の状況が、より見やすく、詳しく分かるようになっています。例えば、南相馬市の北西部を拡大した地図を見ますと、放射線量の値で色分けされた点が道路上に細かくプロットされ、学校や幼稚園の周辺では、屋外活動を制限する目安の放射線量の半分よりも低い、青や水色となっています。しかし、学校から少し離れた道路では、1時間当たり1.9マイクロシーベルトから、屋外活動を制限する目安の3.8マイクロシーベルトの間の、比較的高い放射線量を示す緑の点があることが分かります。国は、各市町村が学校などの除染を含む復旧計画をまとめたあとに、「緊急時避難準備区域」を解除する方針で、今回の地図を除染の計画作りなどに活用してほしいとしています。