鎮魂の炎、被災地に祈り 点火前に黙とう、五山送り火
お盆に迎えた先祖の精霊を送る京都の伝統行事「五山送り火」が16日夜、京都市内で行われた。今年は東日本大震災を受け、五つの山の関係者が午後8時に一斉に黙とうしてから点火した。市街地では大勢の市民や観光客が燃える炎を静かに見つめ、震災で犠牲となった人達の鎮魂を祈り、亡き家族や知人への思いをはせた。
今年の送り火では、大津波で倒された岩手県陸前高田市のマツを「大文字」で燃やす計画が放射性物質への懸念から中止された。京都市は、陸前高田の別のマツを燃やす計画を五山に提案したが、マツから放射性物質が検出され使用を断念。二転三転の対応に全国から苦情や批判が殺到する事態となった。
午後8時、送り火の関係者約1200人が山上で黙とう。如意ケ嶽(左京区)の「大文字」に点火され、1画が約80~約160メートルの「大」の字が浮かび上がった。続いて「妙」「法」、「船形」、「左大文字」、「鳥居形」の順に火がつけられ、夜空を彩った。
今年は、震災の「復興と鎮魂」のため仙台七夕まつりで約2300枚の護摩木を募ったほか、騒動を受けて護摩木と割り木計約千本に京都市民からメッセージを受け付け、五山で燃やされた。
鴨川沿いや嵯峨嵐山などには、昨年より約1万人多い約11万人(京都府警発表)が繰り出した。
【 2011年08月16日 23時15分 】
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