定期検査で5カ月以上調整運転を続けている北海道電力泊原発3号機(出力91.2万キロワット)について、北海道の高橋はるみ知事は17日未明、地元町村の意向も確認したうえで営業運転の再開を認める方針を固めた。
知事は同日にも経済産業省に容認の意向を連絡する。これを受けて原子力安全・保安院が定検の終了証を北電に交付、営業運転が再開される見通し。東日本大震災後に営業運転に移行する原発は初めてとなる。
保安院は10日に泊3号機の定検の最終検査を終え、原子力安全委員会が11日に営業運転再開を了承した。当初は同日中にも再開すると見られていたが、海江田万里経済産業相が高橋知事の容認を待つ姿勢を示し、先送りされていた。
16日には再開の是非を判断する道議会特別委員会が開かれた。「再開は時期尚早」といった意見も出て審議は深夜までずれ込んだが、高橋知事は道議会の意見集約は終えたと判断。特別委終了後、報道陣に対し「委員会の議論もふまえ、地元と情報共有を図り、改めて道の考え方を整理する」と話した。
泊3号機は1月に定検が始まり、3月7日に発電を再開して調整運転に入った。通常は1カ月ほどで営業運転に移るが、北電は福島第一原発事故を受けて最終検査の申請を見送ってきた。すでにフル稼働して電力も供給しており、営業運転に移っても状況は変わらない。
調整運転中の原発は泊3号機だけのため、今回の動きが定検で停止中の他の原発の発電再開に影響する可能性は小さいとみられる。