2011-07-28 12:26:53
「毒と私」幻冬舎MCマークの隠せない意味
テーマ:ホメオパシー問題
(文中敬称略)
ホメオパシー出版株式会社のwebページ http://www.homoeopathy-books.co.jp/index.html にて、「幻冬舎の、今年一押しの話題作!」、「幻冬舎 発行」と宣伝している由井寅子著の「毒と私」について、当ブログではこれまで二回にわたって言及してきました。(「自費出版で幻冬舎の名前を借りる?(毒と私)」、「「毒と私」の舞台裏をゲスの勘ぐり」)
上記ふたつのエントリーは「毒と私」発売前であったため集められる情報が限られ、「毒と私」は企業出版(自費出版)を請け負う「幻冬舎メディアコンサルティング http://www.gentosha-mc.com/」から出る書籍なのであろうと推測するにとどまりましたが、発売された本を見ると、やはり発行元は幻冬舎ではなく「幻冬舎メディアコンサルティング」であることがわかりました。
1.幻冬舎MCマーク
「毒と私」の表紙および表紙にかけられた帯を見てください。見慣れた幻冬舎マークではなく、幻冬舎MCと書かれています。これは、「幻冬舎メディアコンサルティング」が関与した企業出版(自費出版)本につけるロゴマークで、幻冬舎が企画・編集・出版した本ではないという証拠です。
2.発行/幻冬舎メディアコンサルティング 発売/幻冬舎
ホメオパシー出版側は「幻冬舎 発行」と宣伝していますが、発行元は「幻冬舎メディアコンサルティング」、発売元が「幻冬舎」です。つまり、由井寅子側が資金と企画と原稿を持ち込み、幻冬舎メディアコンサルティングが書籍化し、幻冬舎グループ特約店(150法人、5,000書店)を中心とした流通展開する書籍というわけです。
由井寅子およびホメオパシージャパン、日本ホメオパシー医学協会、はグループ傘下にホメオパシー出版株式会社がありながら幻冬舎メディアコンサルティングから自費出版しなければならないのか、これまで以下のとおり考えてきました。
○幻冬舎のネームバリューを活用したかった。
(由井寅子先生の本が「あの幻冬舎」から出ると見せかけたい。
大手出版社から書籍化される=内容に正当性があると誤認させたい。)
○幻冬舎の流通ルートを活用したかった。
(自社グループからの出版では、コアな信奉者にしか到達しない。
一般の書籍同様に書店ルートで陳列、販売したい。)
「幻冬舎のネームバリューを活用」したい願望は、ホメオパシー出版株式会社のwebページに「幻冬舎 発行」と記載し、「幻冬舎メディアコンサルティング」の名前と実態を極力隠そうとする態度からもわかります。
このページに掲げられた「幻冬舎の、今年一押しの話題作!」という惹句は、「幻冬舎」と言いたいが、「幻冬舎が出版した書籍」、「幻冬舎が一押ししている」とは書くことができず、「(流通が)幻冬舎の(グループ特約店を中心とする本の中で)、(ホメオパシージャパンが)今年一押しの話題作!」と涙ぐましい表現をとっています。
では、一般書店で幻冬舎の本のようにプロモーションされるメリットはどこにあるのでしょう。
ノンフィクション(エッセイ含む)は著者のネームバリューと、書かれている内容の秘密の暴露の度合いによって、読者側は感心を持つものです。
ホメオパシーそのものや由井寅子の存在を知っている者は、ホメオパシー信奉者と、ホメオパシーに何らかの関心を抱いてる者に限られます。また、ホメオパシーの危険性が盛んに報道された一年前ならともかく、今頃になって死亡事件の言い訳や、カルト化問題をホメオパシー関係者側から発言しても一般の興味を喚起するとは思えません。
つまり、「毒と私」のメインターゲットはホメオパシー信奉者であり、団体と信奉者の精神的つながりを強化するには、これまでも繰り返してきた自己正当化の言説だけでは不十分で、「大手出版社から書籍化される=内容に正当性があると誤認」させる必要性が生じているのかもしれず、「正当性を再確認しなればならない」という焦りが由井寅子もしくは団体側にあるのかもしれません。
幻冬舎の流通ルートを活用する点に着目すると、短期間でも書店のひかくてき目立つ場所に平積みされるなど、上記した「内容の正当化」だけでなく、社会的なできごと=イベント性をも期待しているのではないかと想像されます。「毒と私」が書店で平積みにされる期間だけは、由井寅子およびホメオパシーは社会の表舞台に露出されるのです。
これはホメオパシーと由井寅子を知らない大多数の者にとっては意味のないできごとですが、信奉者にとっては自らが信奉するものが社会に認められたと勘違いしたり、誇らしい気分になるなど、他では得難い効果があるのではないでしょうか。
また、「毒と私」が信奉者だけでなく、一般的な読者の興味を惹くものだと幻想を抱いているのかもしれません。一般といっても、いくらなんでも大衆を動かすことは無理だと思っているでしょう。ニューエイジ、精神世界、自然派、自己啓発、などといったものに興味がある人々で、ホメオパシーは知っていても深入りしていない層を獲得する意図があるかもしれません。
こうしてみると、重要なのは「毒と私」の内容以上に、「幻冬舎の本に見せかけること」と「書店での露出=イベント性」であり、自費出版の費用として投下した資金なりの内外に向けた宣伝効果があると見込んでいるように思われます。ゆえに、「幻冬舎メディアコンサルティング」に依頼した自費出版とは口が裂けても言えないのでしょう。
ホメオパシー出版株式会社のwebページ http://www.homoeopathy-books.co.jp/index.html にて、「幻冬舎の、今年一押しの話題作!」、「幻冬舎 発行」と宣伝している由井寅子著の「毒と私」について、当ブログではこれまで二回にわたって言及してきました。(「自費出版で幻冬舎の名前を借りる?(毒と私)」、「「毒と私」の舞台裏をゲスの勘ぐり」)
上記ふたつのエントリーは「毒と私」発売前であったため集められる情報が限られ、「毒と私」は企業出版(自費出版)を請け負う「幻冬舎メディアコンサルティング http://www.gentosha-mc.com/」から出る書籍なのであろうと推測するにとどまりましたが、発売された本を見ると、やはり発行元は幻冬舎ではなく「幻冬舎メディアコンサルティング」であることがわかりました。
1.幻冬舎MCマーク
「毒と私」の表紙および表紙にかけられた帯を見てください。見慣れた幻冬舎マークではなく、幻冬舎MCと書かれています。これは、「幻冬舎メディアコンサルティング」が関与した企業出版(自費出版)本につけるロゴマークで、幻冬舎が企画・編集・出版した本ではないという証拠です。
2.発行/幻冬舎メディアコンサルティング 発売/幻冬舎
ホメオパシー出版側は「幻冬舎 発行」と宣伝していますが、発行元は「幻冬舎メディアコンサルティング」、発売元が「幻冬舎」です。つまり、由井寅子側が資金と企画と原稿を持ち込み、幻冬舎メディアコンサルティングが書籍化し、幻冬舎グループ特約店(150法人、5,000書店)を中心とした流通展開する書籍というわけです。
由井寅子およびホメオパシージャパン、日本ホメオパシー医学協会、はグループ傘下にホメオパシー出版株式会社がありながら幻冬舎メディアコンサルティングから自費出版しなければならないのか、これまで以下のとおり考えてきました。
○幻冬舎のネームバリューを活用したかった。
(由井寅子先生の本が「あの幻冬舎」から出ると見せかけたい。
大手出版社から書籍化される=内容に正当性があると誤認させたい。)
○幻冬舎の流通ルートを活用したかった。
(自社グループからの出版では、コアな信奉者にしか到達しない。
一般の書籍同様に書店ルートで陳列、販売したい。)
「幻冬舎のネームバリューを活用」したい願望は、ホメオパシー出版株式会社のwebページに「幻冬舎 発行」と記載し、「幻冬舎メディアコンサルティング」の名前と実態を極力隠そうとする態度からもわかります。
このページに掲げられた「幻冬舎の、今年一押しの話題作!」という惹句は、「幻冬舎」と言いたいが、「幻冬舎が出版した書籍」、「幻冬舎が一押ししている」とは書くことができず、「(流通が)幻冬舎の(グループ特約店を中心とする本の中で)、(ホメオパシージャパンが)今年一押しの話題作!」と涙ぐましい表現をとっています。
では、一般書店で幻冬舎の本のようにプロモーションされるメリットはどこにあるのでしょう。
ノンフィクション(エッセイ含む)は著者のネームバリューと、書かれている内容の秘密の暴露の度合いによって、読者側は感心を持つものです。
ホメオパシーそのものや由井寅子の存在を知っている者は、ホメオパシー信奉者と、ホメオパシーに何らかの関心を抱いてる者に限られます。また、ホメオパシーの危険性が盛んに報道された一年前ならともかく、今頃になって死亡事件の言い訳や、カルト化問題をホメオパシー関係者側から発言しても一般の興味を喚起するとは思えません。
つまり、「毒と私」のメインターゲットはホメオパシー信奉者であり、団体と信奉者の精神的つながりを強化するには、これまでも繰り返してきた自己正当化の言説だけでは不十分で、「大手出版社から書籍化される=内容に正当性があると誤認」させる必要性が生じているのかもしれず、「正当性を再確認しなればならない」という焦りが由井寅子もしくは団体側にあるのかもしれません。
幻冬舎の流通ルートを活用する点に着目すると、短期間でも書店のひかくてき目立つ場所に平積みされるなど、上記した「内容の正当化」だけでなく、社会的なできごと=イベント性をも期待しているのではないかと想像されます。「毒と私」が書店で平積みにされる期間だけは、由井寅子およびホメオパシーは社会の表舞台に露出されるのです。
これはホメオパシーと由井寅子を知らない大多数の者にとっては意味のないできごとですが、信奉者にとっては自らが信奉するものが社会に認められたと勘違いしたり、誇らしい気分になるなど、他では得難い効果があるのではないでしょうか。
また、「毒と私」が信奉者だけでなく、一般的な読者の興味を惹くものだと幻想を抱いているのかもしれません。一般といっても、いくらなんでも大衆を動かすことは無理だと思っているでしょう。ニューエイジ、精神世界、自然派、自己啓発、などといったものに興味がある人々で、ホメオパシーは知っていても深入りしていない層を獲得する意図があるかもしれません。
こうしてみると、重要なのは「毒と私」の内容以上に、「幻冬舎の本に見せかけること」と「書店での露出=イベント性」であり、自費出版の費用として投下した資金なりの内外に向けた宣伝効果があると見込んでいるように思われます。ゆえに、「幻冬舎メディアコンサルティング」に依頼した自費出版とは口が裂けても言えないのでしょう。
同じテーマの最新記事
- 信心とレメディのやっかいさ 08月15日
- ほぼ一年・メディアは? 07月16日
- 自費出版で幻冬舎の名前を借りる?(毒と… 07月11日
- 最新の記事一覧 >>
1 ■Re:無題
>すみれさん
すみれさんのコメントはご本人からの求めに応じ削除いたしました。