先月、中国で起きた高速鉄道の事故後の対応を巡り失言を繰り返していたとして、国民からの批判を受けていた、鉄道省の報道官が、16日、解任され、国民の政府への不満を和らげるねらいがあるとみられます。
中国国営の新華社通信の英語版によりますと、16日、鉄道省は、王勇平報道官を解任したということです。王報道官は、先月23日に中国・浙江省で起きた高速鉄道の事故で、車両の一部が地中に埋められたことについて、発生翌日の記者会見で「現場の地面がぬかるんでいて、作業をスムーズに行うために車両を埋めた」と隠ぺい疑惑を否定し、国民から大きな批判を浴びていました。さらに記者会見では「私の言い分を信じようが信じまいが、いずれにしろ私は信じる」と述べたほか、捜索活動を打ち切ったあとに2歳の女の子が救出されたことについて「生命の奇跡と言うしかない」と述べるなど、一連の発言は政府の対応への国民の不信感を高めるきっかけとなっていました。中国政府としては、今回の事故で国民からの批判の象徴的な人物となった王報道官を解任することで、国民の不満を和らげるねらいがあるとみられます。