北海道の高橋はるみ知事は17日未明、調整運転中の北海道電力泊原発3号機の営業運転移行について「改めて頭の整理が必要だ」と述べ、容認に向けた最終調整を続ける意向を示した。同日中にも容認を表明する見通しだ。泊3号機はすでにフル稼働状態に入っている。営業運転移行は事実の追認といえるが、それでも調整には時間がかかる。定期点検などで停止中の原発の再稼働を巡る道筋は一段と不透明感を増している。
高橋知事は道議会終了後、「地元自治体と情報共有を図りながら改めて考え方を整理する」と述べた。泊原発周辺の自治体に説明し、営業運転移行に向けてなお調整を続ける。今後のスケジュールについては「言える段階にない」と語った。
高橋知事は16日の道議会特別委員会の開催にこだわり、同日中に営業運転への移行を判断する考えを固めていた。ただ道議会で「なぜ16日なのか」と問われ議論が紛糾。長時間の中断が続き、議論は16日深夜に及んだ。このため泊原発周辺自治体と連絡を取ることができなくなり、容認表明を見送った。
営業運転への移行は原発の検査のサイクルに組み込まれている。「検査入りで停止」→「再起動」→「調整運転」→「検査終了」→「営業運転」という流れだ。現在の調整運転は検査終了前のいわば試運転。通常は1カ月程度だが、泊3号機は3月7日から5カ月余りも続く異例の状態だった。保安院は当初「調整運転もフル稼働で送電しており、営業運転とほぼ同じ。問題にはならない」とみていた。
だが、菅直人首相や道が慎重な姿勢をみせたため(1)検査結果を原子力安全委員会がチェック(2)地元自治体の同意を得る――という2つのステップを踏むことになった。いずれも通常の定期検査にはない特別な手続きだ。
すでに稼働済みだった泊原発と比べ、停止中の原発の再稼働には地元の反発がさらに強まるのは必至だ。このため、政府は停止原発を再稼働する場合に(1)ストレステスト(耐性調査)の「1次評価」をクリアする(2)首相と3閣僚の容認(3)地元自治体の同意――という3つの条件を課した。
ただ、いずれも法的根拠に乏しく、具体的な手続きも固まっていない。地元の同意を得るための道筋は見えない。細野豪志原発事故担当相も「電気事業法や原子炉等規制法を改正し、ストレステストの法的位置づけを明確にする必要がある」と認める。
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