北海道の高橋はるみ知事は17日未明、調整運転中の北海道電力泊原発3号機の通常運転移行について「改めて頭の整理が必要だ」と述べ、結論を先送りした。ただ泊3号機はすでにフル稼働体制に入っており、営業運転移行を認めたとしても事実を追認したにすぎない。定期点検などで停止中の原発の再稼働は依然難しい情勢が続いている。むしろ地元の同意を得る厳しさが浮き彫りとなり、原発再稼働に向けた道筋は不透明感を増した。
原発は「検査入りで停止」→「再起動」→「調整運転」→「検査終了」→「営業運転」というサイクルを繰り返す。調整運転は最終検査の前のいわば「試運転」。通常は1カ月程度だが、泊3号機は3月7日から5カ月余りも続く異例の状態だった。保安院は当初「調整運転もフル稼働で送電しており、営業運転とほぼ同じ。問題にはならない」とみていた。
だが、菅直人首相や道が慎重な姿勢をみせたため(1)検査結果を原子力安全委員会がチェック(2)地元自治体の同意を得る――という2つのステップを踏むことになった。いずれも通常の定期検査にはない特別な手続きだ。
すでに稼働済みだった泊原発と比べ、停止中の原発の再稼働には地元の反発が強まるのが必至だ。このため、政府は停止原発を再稼働する場合に(1)ストレステスト(耐性調査)の「1次評価」をクリアする(2)首相と3閣僚の容認(3)地元自治体の同意――という3つの条件を課した。
ただ、いずれも法的根拠に乏しく、具体的な手続きも固まっていない。細野豪志原発事故担当相も「電気事業法や原子炉等規制法を改正し、ストレステストの法的位置づけを明確にする必要がある」と認める。
原発の立地自治体の姿勢にも温度差がある。13基の商業原発を抱え、うち9基が停止中の福井県の西川一誠知事は「東京電力福島第1原発の事故から得た知見を反映した、新たな安全基準が示されなければ再稼働を認めない」と厳しい姿勢を示す。四国電力伊方原発3号機を抱える愛媛県の中村時広知事は、再稼働について「まったくの白紙」との立場だ。
一方、九州電力川内原発1号機が定期検査で停止中の鹿児島県の伊藤祐一郎知事は「(ストレステストの)2次評価が終わらなければ再開できないということではない」と述べ、ストレステストの「1次評価」後の再稼働に前向きな姿勢を示している。
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