子ども・子育て白書:結婚…年収300万円に壁

2011年6月17日 11時49分 更新:6月17日 12時41分

 政府は17日の閣議で11年版「子ども・子育て白書」を決定した。20~30代の男女の8割以上が結婚を希望しているが、現実には30代前半までに結婚する人は男性の半数、女性も7割弱にとどまる。男性の既婚率は所得が増えるにつれて上昇する傾向がみられ「年収300万円」を境に差が出た。特に非正規雇用労働者で既婚率が低く、30代前半男性では非正規の既婚率は正社員の半分だった。少子化の要因の未婚化を改善するためにも若者の就労支援が必要と強調している。

 白書が、内閣府調査(10年9~10月実施)を分析したところ、20~30代の男女で「将来結婚したい」と考えている人は男性83%、女性90%だった。しかし、30代前半の未婚率は男性47.1%、女性は32.0%(05年総務省調査)に上った。同じ年齢層の未婚率は75年には男性14.3%、女性7.7%だった。

 また、20~30代の男性について、既婚者の割合を年収別にみたところ、300万円未満では10%を切る一方、300万円以上の階層では約25~40%となり「300万円を境に大きな差」がみられた。就労形態別の既婚率をみると、30~34歳の男性では正社員が59.6%に対し、非正規は30.2%と半分程度。

 結婚を希望する人に「結婚生活の不安」(複数回答)を聞いたところ、男性56.8%、女性54.4%と男女とも半数以上が「経済的不安」をあげた。白書は「若い世代の所得の伸び悩みなどが未婚率の増加につながっている」と指摘。「結婚に対する個人の希望を実現できる社会に向け、若者に対する就労支援が求められる」としている。【山崎友記子】

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