【エルサレム花岡洋二】中国人民解放軍の陳炳徳総参謀長が15日、イスラエルのネタニヤフ首相とエルサレムで会談し、両国関係の強化で一致した。中国側はイスラエルの最新の軍事技術に関心を寄せており、イスラエルはイランなど中東諸国に対する中国の影響力を生かしたい狙いがある。人民解放軍のトップがイスラエルを訪れるのは初めて。
AP通信などによると、陳氏はイスラエル軍のガンツ参謀総長やバラク国防相らとも会談。パキスタンやイラン、中東情勢などについて意見交換した。
両国は92年に国交を結び、軍事技術・情報の交換などを通じて友好関係を築いた。
しかし、00年にイスラエルから中国へのファルコン空中警戒管制システムの売却が米国の圧力で中止に追い込まれ、関係が冷却。1年ほど前からイスラム武装勢力に対する治安情報などの交換を通じて関係改善を進め、バラク国防相が6月に訪中した。
毎日新聞 2011年8月16日 東京夕刊