遺体の一斗缶３つ目発見、ゴミ回収狙い遺棄か

　大阪市天王寺区で切断された遺体が入った一斗缶２個が見つかった事件で、大阪府警天王寺署捜査本部は１５日、発見現場付近のゴミ置き場から今月５日に不法投棄物として回収されていた別の一斗缶から、新たに人の左足首を発見した。一斗缶は計３個となった。これまでに見つかった２遺体のうち１人のものの可能性がある。このゴミ置き場では、放置された電化製品などがたびたび回収されており、捜査本部は、犯人が遺体を不法投棄物に紛れさせて処分しようとした疑いもあるとみている。

　捜査本部や同市によると、３つ目の缶は、２つ目の発見場所の向かいにあるマンションのゴミ置き場に、テレビなどとともに放置されており、今月３日に近所の住人が回収を担当する市に連絡。市は５日に回収し中身を確認せずに保管していたが、事件を受けて１５日に府警に通報した。

　中には、左足のくるぶし付近から先の足首が１つ入っていた。大きさから、１つ目に入っていた大きさの異なる２つの右足首のうち、小さい方と同一人物の可能性があるという。ほかに、空気で膨らませた緩衝材も複数個入っていた。

　このゴミ置き場には、たびたび電化製品やソファなどの粗大ゴミが不法に捨てられており、マンション住人らからの苦情を受け、市が回収していた。

　これまでに見つかった計３つの缶は、いずれもふたが粘着テープで固定されていた。中の遺体は腐敗が進んでおり、一部は平成１８年の新聞紙などで包まれていた。

　一方、近所の女性（２５）によると、先月２０日ごろ、２つ目の発見場所付近の路上に不審な一斗缶が２つあったが、約１週間後には１つがなくなっていた。別の女性は同月上旬、３つめの缶が置かれていたゴミ置き場で、同じような缶を３つ目撃したという。

　また、１つ目の缶が見つかった公園内でも、複数の人が発見以前から缶の存在に気づいていたが、時期によって放置されていた場所が異なっている。捜査本部は、何者かが缶を移動させた可能性もあるとみて、情報の確認を進めている。