【大紀元日本8月14日】中東で広がった民主化運動は、すばやい情報交流を可能にするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が多大な役割を果たしたと言われている。しかし、SNSに頼らずとも、同様の意見を持つ人々がコミュニティー人口の10%を超えれば、その考えは爆発的に広がっていくという結論が、アメリカの研究から得られた。
米ニューヨークにある社会認知ネットワーク・アカデミック研究センター(Social Cognitive Networks Academic Research Center)の科学者らはコンピューターを利用した、マイノリティー(少数派)がマジョリティー(多数派)に移行する転換点を計算した。その結果、意見保有者が社会の10%を超えれば、その考えは急激に拡大し、世論を形成するという。一方、意見保有者が10%以下の場合は、世論形成にはつながらないと同センターの理事であるボルズロウ・スジマンスキー氏(Boleslaw Szymanski)が記者会見で発表した。
「このくらいのグループの意見がマジョリティーに達するには、宇宙の年齢と同じくらいの時間が必要なはずだが、一旦、同意見の保有者数が10%を超すと、その考えは炎のように広がっていく」
同研究は「10%ルール」があてはまる過去の例として、20世紀初めに起きた婦人参政権運動や市民権運動などを挙げている。「アメリカの市民権運動は、ちょうどアフリカ系アメリカ人の人口が全体の10%を超えてすぐの時に起こった」とスジマンスキー氏は語る。最近のチュニジアやエジプトで起きた民主化運動も例外ではなく、「それらの国では、数十年間も権力の座についていた指導者が、数週間で座を追われた」と指摘する。
同氏によれば、意見がどこで起こっても、またどのように広がっても「10%ルール」に変わりはなく、コミュニティーの形態にも左右されない。同チームは、この「10%ルール」が歴史上起こった事件にあてはまるかどうかをさらに研究していくという。
『少数派の影響がもたらす社会的な合意』(Social consensus through the influence of committed minorities)と題するこの論文は、先月22日、ジャーナルPhysical Review E(電子版)で公表された。
(記者・Mimi Nguyen Ly / 翻訳編集・郭丹丹)
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