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フジテレビの韓流騒動について

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小寺信良 プロフィール


もう一つ反感を買っている原因は、売ろうとした商品が「韓国」であったこともあるだろう。日韓の関係は従軍慰安婦問題から竹島、ワールドカップ、オリンピックまで、非常に摩擦の多い間柄である。日本には少なからず反韓感情は芽生えているだろう。これまで作ってきたブームは、無風の中から立ち上げてきたが、今回は逆風をひっくり返そうというのだから、大変だ。

韓流ゴリ押しには、非常に大きな圧力がかかっているのも、また事実であろう。例えば「笑っていいとも!」のランキングによるゴリ押しだけ考えても、おおごとだ。最近は視聴率が下がっているとは言えあれだけの長寿番組のプロデューサー、ディレクター、構成作家、大物出演者まで全部ネゴして回らなければ、あれだけのことはやってのけられない。

もちろん公共の電波を使って私腹を肥やすべきではない、という意見には一理ある。しかし実際にはこれまでも、すでに散々やってきたことなのである。それをどこまでエスカレートしたからダメだ、というのは、誰がどのような線を引くのか。米国のようにマスメディアの権利保有を分散する仕組みもあるが、日本では法が通らないだろう。米国ではテレビよりもハリウッドのロビーが圧倒的に強いので、テレビはかなり透明性が高い経営が求められる。しかし日本の場合、新聞社とテレビ局が一体化しているために、メディア力+ロビー力で、とても規制に動かせるものではない。

8月7日にフジテレビ周辺で非公式な抗議デモが行なわれたそうである。本番は21日だそうだが、こういったストレートな抗議行動をテレビ局は右翼から以外に受けたことがないので、どのような反応を示すのか、非常に興味がある。

ただ人数が数千人程度では、7日同様、黙殺の可能性は高いだろう。テレビ局の場合、視聴率が5%ぐらい変わるほどの影響力が必要だ。ということは、250万人ぐらいの人がなんらかのアクションを起こさないと、影響力を行使できないのではないかと考える。

スポンサーに訴えるというのは一つの方法ではあるが、花王の製品に対して事実ではないことを書き込んだり、風評を立てるような運動は、よろしくない。こういうものは、たとえ事が解決しても依然として悪評だけが生き残り、ダメージを与え続けるからである。主張が組み入れられたら撤回し、現状復帰できるような方法を選択すべきだろう。

一部のネット民が騒いでいるだけ、という見方をされてしまったら、伝えたいことも伝わらない。いちテレビ局に対して具体的な抗議行動というのは日本でこれまであまり例がないのだが、視聴者の意見が反映された好例となるような、前向きな活動と決着を望みたいところである。

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