小寺信良 プロフィール
この件に関しては静観を決め込むつもりだったが、もうテレビの話を書くついでなのでこれも書いちゃおうかと。フジテレビが韓流ゴリ押しであるとして、ネット民から批難されている件である。
過去テレビ局というのは、ブームを追い、それを報道することでさらにブームが加速するという構造を持っていた。グッズ、ファッション、タレント、ショップなど、テレビによって取り上げられ、それが全国に飛び火するという傾向が70年代から80年代前半あたりまでであろう。なめ猫、キン肉マン消しゴム、ルービックキューブ、ハマトラといったブームは、元々は雑誌が火付け役だったが、テレビにより全国隅々まで押し込まれる形で大きく広がったと言っていい。
80年代も後半に入ると、今度はテレビ局自身がブームを作るようになってきた。つまり流行ったあとから他人のブームに便乗しても、もう利益構造には割り込めない。しかし権利関係を押さえておいて自分でブームを作れば、利益誘導できる。その時点で、フジテレビは非常に仕掛けがうまかった。おニャン子クラブで夕方の高校生層を押さえ、オールナイトフジで女子大生ブームを作り、月9でトレンディドラマを流行らせた。
90年代を過ぎてバブル崩壊のあおりを受け、広告収入が減ると、フジは自社リソースを商品化することで番組制作費を大幅に削減した。いわゆる女子アナブームである。女性アナウンサーは正社員なので、いくら売れても給料据え置きである。社員をタレント化することで、外部タレントの発注を押さえて番組を成立させる方向にシフトした。一時期は男性アナウンサーを司会に、女子アナが運動会のようなことをやるような番組さえ登場した。やってることは大規模な社員運動会である。
さらにお台場移転をきっかけに、その敷地内をテーマパーク化して観光スポットに仕立て上げた。場所的には非常に不便にも関わらず、執拗に情報番組内で露出することで、地方からの観光客にとって行ってみたい観光名所として定着させてしまった。こういうことをやって成功した局は、フジテレビ以外にない。
今回の韓流ゴリ押し騒動もこういった流れで見れば、音楽著作権を大量に保有しているK-Popも実は自社リソースに過ぎず、それを売るためにブームを作ろうとしているということがわかる。過去80年代から何度も繰り返してきた手法なのである。
それがここにきて、大きな反発を受けることになったのはなぜか。それはたぶん、思ったように利益が上がっていないのだろうと思う。つまり、ブームの火付けに失敗したのだ。
韓流ブームのそもそもは、03年にNHKで「冬のソナタ」が放送されたのがきっかけである。そこから先韓流ブームが継続しているように思われているが、経済効果としてはほぼ1年~2年足らずで収束している。韓流ドラマ、K-Popの版権が安いとされているのは、おそらく事実であろう。円高ウォン安の影響ももちろんあるだろうが、それ以前に経済的価値が低いからである。
それから何度かメディアが再点火を試みたが、うまくいっていない。もちろんその背景には、韓国という国からの広告宣伝費も出ていると思われる。韓国は国策としてコンテンツ産業育成を行なっており、海外への売り込みにも国から予算が出ている。
テレビの王者フジテレビとしては、安く仕入れたものを自分たちのブーム着火力にものを言わせて商売するつもりであったのだろう。もちろん韓国からの広告宣伝費も相当入っているだろう。しかし、うまくいかなかった。そこで次第に焦りが見え始め、過剰なまでに露出をエスカレートさせることになったのではないかと思われる。
これまでのフジテレビの火付けは、スマートだった。いや実際にはスマートとは言えない部分もあったが、少なくとも仕掛けに行っていると大半の視聴者にバレない程度には引きどころをわきまえていた。しかし今回の韓流ゴリ押しは、多くの視聴者が「そんなわけないだろ」というレベルにまでエスカレートした。
過去テレビ局というのは、ブームを追い、それを報道することでさらにブームが加速するという構造を持っていた。グッズ、ファッション、タレント、ショップなど、テレビによって取り上げられ、それが全国に飛び火するという傾向が70年代から80年代前半あたりまでであろう。なめ猫、キン肉マン消しゴム、ルービックキューブ、ハマトラといったブームは、元々は雑誌が火付け役だったが、テレビにより全国隅々まで押し込まれる形で大きく広がったと言っていい。
80年代も後半に入ると、今度はテレビ局自身がブームを作るようになってきた。つまり流行ったあとから他人のブームに便乗しても、もう利益構造には割り込めない。しかし権利関係を押さえておいて自分でブームを作れば、利益誘導できる。その時点で、フジテレビは非常に仕掛けがうまかった。おニャン子クラブで夕方の高校生層を押さえ、オールナイトフジで女子大生ブームを作り、月9でトレンディドラマを流行らせた。
90年代を過ぎてバブル崩壊のあおりを受け、広告収入が減ると、フジは自社リソースを商品化することで番組制作費を大幅に削減した。いわゆる女子アナブームである。女性アナウンサーは正社員なので、いくら売れても給料据え置きである。社員をタレント化することで、外部タレントの発注を押さえて番組を成立させる方向にシフトした。一時期は男性アナウンサーを司会に、女子アナが運動会のようなことをやるような番組さえ登場した。やってることは大規模な社員運動会である。
さらにお台場移転をきっかけに、その敷地内をテーマパーク化して観光スポットに仕立て上げた。場所的には非常に不便にも関わらず、執拗に情報番組内で露出することで、地方からの観光客にとって行ってみたい観光名所として定着させてしまった。こういうことをやって成功した局は、フジテレビ以外にない。
今回の韓流ゴリ押し騒動もこういった流れで見れば、音楽著作権を大量に保有しているK-Popも実は自社リソースに過ぎず、それを売るためにブームを作ろうとしているということがわかる。過去80年代から何度も繰り返してきた手法なのである。
それがここにきて、大きな反発を受けることになったのはなぜか。それはたぶん、思ったように利益が上がっていないのだろうと思う。つまり、ブームの火付けに失敗したのだ。
韓流ブームのそもそもは、03年にNHKで「冬のソナタ」が放送されたのがきっかけである。そこから先韓流ブームが継続しているように思われているが、経済効果としてはほぼ1年~2年足らずで収束している。韓流ドラマ、K-Popの版権が安いとされているのは、おそらく事実であろう。円高ウォン安の影響ももちろんあるだろうが、それ以前に経済的価値が低いからである。
それから何度かメディアが再点火を試みたが、うまくいっていない。もちろんその背景には、韓国という国からの広告宣伝費も出ていると思われる。韓国は国策としてコンテンツ産業育成を行なっており、海外への売り込みにも国から予算が出ている。
テレビの王者フジテレビとしては、安く仕入れたものを自分たちのブーム着火力にものを言わせて商売するつもりであったのだろう。もちろん韓国からの広告宣伝費も相当入っているだろう。しかし、うまくいかなかった。そこで次第に焦りが見え始め、過剰なまでに露出をエスカレートさせることになったのではないかと思われる。
これまでのフジテレビの火付けは、スマートだった。いや実際にはスマートとは言えない部分もあったが、少なくとも仕掛けに行っていると大半の視聴者にバレない程度には引きどころをわきまえていた。しかし今回の韓流ゴリ押しは、多くの視聴者が「そんなわけないだろ」というレベルにまでエスカレートした。
1 | 2 |
注目のテーマ
コデラノブログ4 最新記事
- フジテレビの韓流騒動について- 15日13時01分
- 東海テレビ放送事故の不思議2- 12日23時28分
- 東海テレビ放送事故の不思議- 12日12時00分(1)
- 節電、ITにできること- 01日22時35分(23)
- これからの日本の姿- 21日10時48分(77)
- まねきTV裁判こぼれ話- 20日10時10分(12)
- mixiに受けた「いやァな感じ」- 07日10時00分(290)
- ウィキリークスとジャーナリズムの関係- 05日19時38分
- iPadで原稿は書けるか- 04日10時32分
- iPadで原稿を書きたい人に向けたいくつかの方法- 03日10時31分
BLOGOS アクセスランキング
- これからの話(5) 日本の力は圧倒的 - 14日15時15分
- 早速始まった偏向NHKの代表選情報操作番組編成 - 14日10時40分
- 戦争を知らない菅直人首相は、第3の開国を唱えるなら、西郷隆盛翁の涙と中曽根康弘元首相の思いを知れ! - 14日22時29分
- 民主党を駄目にした一人は間違いなく輿石東民主党参院議員会長である - 14日10時05分(83)
- 【佐藤優の眼光紙背】竹島への韓国軍駐留計画に政府は至急懸念を表明すべきだ - 15日10時00分(18)