萬田久子、最期に聞いた「結婚しよう」佐々木さんの愛情に号泣

佐々木さんの死去後、初めて報道陣に対応した萬田久子

　女優・萬田久子（５３）の事実上の夫で、９日にスキルス性胃がんのため、６０歳で亡くなったアパレル会社「リンク・セオリー・ホールディングス」社長兼ＣＥＯ（最高経営責任者）の佐々木力（ちから）さんの通夜が１４日、東京・青山葬儀所で営まれた。喪主の萬田は通夜後に会見。号泣しながら、佐々木さんが意識を失う直前に「結婚しよう」と言われたことを明かした。葬儀・告別式は１５日、午前１１時から同所で営まれる。

　胸にしまっていた“プロポーズ”の言葉を明かし、涙があふれた。「大切な言葉は何ですか？」報道陣からこう聞かれると、２５年間の思いが一気にあふれたのか、崩れ落ちそうになった。

　「元気になったら結婚しよう、と…。病室で言われて…。うれしいというか、ちょっと遅いですよね…」

　７月１２日だった。佐々木さんは翌日から意識をなくし帰らぬ人になった。最愛の人から最後に伝えられた愛の証しだった。

　１９８６年に交際が始まり、翌年には未婚の母として長男を出産。９４年に佐々木さんが前妻との離婚を成立させても婚姻届を提出せず、“事実婚”という形を取り続けた。自ら「自由なスタイル」と言い続けていたが、本音は違った。

　佐々木さんは３月に腰の痛みを訴えたが、検査で何も見つからず、６月の再検査でスキルス性胃がんが発見された。「本人に『末期がん』とは伝えましたが、余命は言わなかった。ただ、頭のいい人だったから分かっていたのかもしれない」と萬田は振り返った。

　「私の人生は彼がいて、でした。私が早くして父を亡くしているので、父親であり、年下のボーイフレンドの時もありました。仕事ができる人で、格好良かった。生きざま、会話、判断…すべてが魅力でした」。芸能界、財界などから約１５００人が参列した会場は、２５年間の思い出にあふれていた。浜辺、プールサイド、避暑地…、佐々木さんと一緒に写った写真パネルなど１０９点を展示。祭壇は萬田が好きな白いユリ８０００本で飾った。

　０５年に撮影されたという佐々木さんの遺影は、優しい笑みを浮かべていた。「私はすべてあの人の判断で生きてきました。これからどうするんだろうと思います」。萬田の言葉に、人生のパートナーを失ったショックが表れていた。

　◆主な参列者　青木功、石原良純、磯野貴理子、勝野洋、角川歴彦、神田うの、草野仁、西城秀樹、佐藤浩市、柴田理恵、杉本哲太、鈴木亜久里、高橋真梨子、多岐川裕美、多岐川華子、舘ひろし、田山涼成、地井武男、津川雅彦、西田敏行、東尾修、久本雅美、左とん平、藤村俊二、船越英一郎、古舘伊知郎、細川たかし、前田美波里、道場六三郎、宮沢りえ、森公美子、山本浩二、米倉涼子、渡辺裕之（敬称略、順不同）