「ステーキ定食弱火でじっくり」
ナビゲーターのキリコ(凶狸狐)が、店員に人差し指をたててこういった。
頷き、自然な流れで私達3人を奥の扉へと誘う店員。
キリコが振る手に、ゴンも大きくその手を振り返していた、私も軽く会釈を返すことにした。
ゴン、レオリオ、そして私ことクラピカのハンター試験は今始まった。
・・しかし、そのときはまだ、このハンター試験があんなにも恐ろしいものになるとは、私達の誰も、予想だにしていなかった・・。
奥の扉をぬけ、エレベーターで、地下に向かった私達が辿り着いたのは、酷く暗くて、大きな駐車場であった。
そこには・・・化け物がいた。
二つの光る目、低い唸るような不気味な音、巨大な胴体、頑丈な足回り。そう、それは・・・
長距離バスだった。
どうでしょう班がハンター試験で試験官をするそうです。
【ハンター×ハンター×水曜どうでしょう】
「オ・・、オイ・・、こ、このバスは・・・、まさか・・、今回の試験官はアイツラなのか!!?
冗談じゃねえ!新人潰しなんぞやってられるかよ!!俺は帰る、帰るぞ!!」
背丈の低い太った中年の男が、わめきながら、元来たエレベーターで地上へと戻っていった、彼の後を数人の男達が続いていった。
「ここにたどり着くだけでも大変な苦労だったろうに・・、惜しい事をするものだ。」
そう私は呟いたものの、あの男の残した言葉が気になっていた。
あの男は、「今回の試験官はアイツラなのか」確かにそういった。
彼はこの駐車場に停車している数台のバスをみて、試験官が何者であるかを悟った。そして恐らくは、ある程度の試験内容も・・、
その上で、自身ではこの試験に絶対に受かる見込みがない、あるいは試験を受ける上でのリスクが高すぎる。そう判断したからこそリタイアしたのだ。未だ試験が始まっていないにも関わらず。
もちろん、私は尻尾を巻いて逃げ出すつもりなど毛頭なかった。自分の全てを失ってでも、仲間の復讐を、蜘蛛への復讐を果たすと誓ったのだから・・・。
「へーえ、ハンター試験って、割とおもしろそうじゃん♪」
気がついたら銀髪で癖毛の少年が側に立っていた、まるで、テレビゲームでも始めるかのような軽い口調だ。
「うん・・。なんだかオレ、どきどきしてきた」
怖気などとは無縁のゴン、その目は期待に輝いている。
「・・ま、どんな試験だろうが、やるっきゃねえぜ!」
パンッと、拳で手のひらを打つレオリオ、
銀髪の少年、名前はキルアと言うそうだが、ゴンとは歳も同じこともあり、すぐに意気投合していた。・・それにしてもこのキルアという少年、喋りだすまで気配など全く感じなかった。相当な力量であることは間違いない。試験内容によっては、手を組んだほうがいいかもしれない・・・。
・・・と、考えるのはここまででいいだろう。なぜなら、そのバスがゆっくりとこちらへと旋回してきたからだ。
一体このバスになにがあるというのだろうか、私達受験生一同はそのバスを注意深く観察していた。一見なんの変哲もないバス。これからこのバスで試験会場へと移動するのであろうか、そんな事を考えていると、一台のバスの扉がゆっくりと開いた。
そして、そのバスから4人組の男達が降りてきた。
アフロのような髪型の男に、唇の大きいジャージ姿の男、髭面眼鏡の男に、カメラを持った細身の男。どこをどうみても、一般人でしかない4人の男達の登場に、私達は皆唖然とした。すると、その中の一人の男が前に進み出た。
「皆さん、こんばんはー!わたしたちは、ローカルハンターの「チーム水曜どうでしょう」でーす。私達はですね、いつもは、この広いハンター世界を、ぶらりぶらーりと旅をしている、ただの旅集団なんですが、今回、みなさんのハンター試験の審査を引き受けさせていただくことになりました。申し遅れましたが、私は司会の鈴井と申します、ミスターと呼んでいただいて結構です。」
鈴井と名乗った男が、場に似合わぬ軽い雰囲気で自己紹介する。ローカルハンターなどという言葉は初めて聞いたが、油断などできる筈はない、彼らはプロのハンターである。おちゃらけてはみえるが、このハンター試験の審査を任されている以上、只の一般人の筈はない。鈴井の説明はつづいていく。
「それではですね、さっそくですが、一次試験を始めさせていただきます。みなさん、いったいこれから何が始まるのか、ドキドキしていることだとおもいますが・・・、まずはこちらをみてください、ジャジャン!」
鈴井の芝居くさい語り口調が少々鼻につくが、それは気にしないほうがいいだろう。私は男が手荷物プラカードに注目した。
そこにはカラフルに色分けされた表と、1から6までのサイコロの絵、そして、意味不明の文言が書きこまれていた。
1)新鮮な魚介類が食べたい!くじら島
2)観光もいいな、ククルーマウンテン
3)一度は行きたい天空闘技場
4)遊ぶのなら命がけ、ヨークシンシティー
5)ええ?どうやっていくの?グリードアイランド
6)文明はどこだ?NGL自治国
「それでは!一次試験では、みなさん4人一組になっていただいて、ゴールのサッポロまで、向かっていただく事になります!各チームそれぞれワンセットずつ、このサイコロとプラカードを持っていただいて、サイコロの出た目通りの交通手段を使って無事ゴールへとたどり着いてください。ジャパンまでは少―し離れているので、制限時間はたっぷりの30日間。それでは、よーい、スタート!!」
・・・30日後、
私たちは、制限時間ギリギリに、ギリギリの体と、ギリギリの容姿でようやくゴールへと辿りついた。
道中、ゴンが早すぎる里帰りすることになったり、キルアが兄に連れ戻されそうになったり、サイコロの出た目をごまかそうとしたレオリオに何故か雷が落ちたり・・・、と、他にもいろいろな事があったがここでは割愛しておこう。
とにかく今は、30日ぶりのベットで眠りたい・・、それだけが私達の今の望みだった。
・・・しかし、そんな私達の願いを嘲笑うかのように、司会の鈴井という男は二次試験の即時の開始をつげたのであった。
「それでは、二次試験はグルメ試験です。みなさんには、いまからシェフ大泉の作るフルコースを完食して頂きます。」
一次試験を無事終えた私達受験者の人数は17組68名とおよそ六分の1、二次試験では、その数をさらに半分以下へと減らすことになってしまうのであった。
【能力名】
六分の一の夢旅人【ダイスジャーニー】 操作系
【能力者】
鈴井貴之
【能力】
4人組の人間にサイコロを振らせ、そのサイコロが出た目の通りの行動をさせることができる、使用されるプラカードは、一度サイコロを振る度に自動的に更新される。
【制約】
4人一組でなければならない。
使用するサイコロはサイコロキャラメルを使わなければならない。
【能力名】
極光の飽食【オーロラクッキング】 具現化系
【能力者】
大泉洋
【能力】
微妙に不味く、異常に辛い料理を、異常な量作る能力。食べた者はみな「お見舞いされる」
【制約】
作るのに異常に時間がかかる。
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祝・ハンター復活!!
一発ネタです、続きません。正直、本当にすまんかった。
H×Hと水曜どうでしょう、次に再開するのはどちらなんでしょうかね・・・。
ちなみに最終試験の「甘いもの対決VS魔人」で合格者は0、ゴンやクラピカも魔人の前にあえなく沈みました。
【能力名】
魔人の胃袋(ホワイトベアー・リベンジャー) 強化系
【能力者】
魔人(藤村D)
【能力】
甘いものならいくらでも食べられる、というか飲む。
【制約】
酸っぱいものとフルーツは意外に苦手。