九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る九電の「やらせメール」問題で、佐賀県の古川康知事が九電幹部との会談で、再稼働への賛成意見をメールで投稿するよう要請していたことが分かった。九電第三者委員会の郷原信郎委員長が1日配信したメールマガジンで明らかにした。知事は「九電側に投稿を求めるものではない」と説明しているというが、知事発言がやらせを誘発した可能性がさらに強まった。
郷原氏はメールマガジンの中で、知事が九電幹部に「経済界からも賛成意見を出してほしい。意見をネットで受け付けている」と発言したことを明らかにした。知事は同日、毎日新聞の取材に対し「メールのやり方もある」と意見投稿の具体的な方法に言及したことを認めた。
一方、知事の発言内容は、会談に同席した九電佐賀支社長がメモしており、知事が九電側に賛成意見の投稿を求める趣旨の内容だった。郷原氏は「知事の記憶とは異なる趣旨の記載がある」と指摘。知事は「九電側ではなく経済界の賛成意見を出してもらうことも必要との趣旨だった」と説明しているといい、どのような経緯や意図でこのメモが作成され九電内で拡散したかを調べるとしている。
知事は発言を釈明するための7月30日の会見で、投稿方法に関する自身の発言には触れていなかった。知事は取材に「会見でも特に隠そうとしたわけではなく、質問がなかったので答えなかった」と話した。【竹花周、福永方人】
毎日新聞 2011年8月1日 21時13分(最終更新 8月2日 2時37分)