【ジャカルタ共同】第2次大戦中、日本占領下にあったインドネシアに戦後も残り、オランダからの独立戦争に参加した残留日本兵の伝記が9月上旬、インドネシアで初めて出版される。
日本では冷戦終結後の1990年代から一部で「英雄視」され始めた残留日本兵だが、日本軍政への見方が厳しいインドネシアではほとんど知られていない。戦後66年を迎え、独立の歴史をめぐる現地での議論に一石を投じそうだ。
地元出版社から発売されるのは「残留日本兵の記憶」(約180ページ、4万ルピア〈約360円〉)。千人いたとされる残留日本兵のうち、わずか2人の存命者の1人、ジャワ島バトゥ在住の小野盛さん(91)=北海道出身=のこれまでの人生について、綿密なインタビューなどを通じて日本学術振興会特別研究員の林英一さん(27)がインドネシア語で執筆した。