アルカイダ:最高指導者にザワヒリ容疑者

2011年6月16日 20時41分 更新:6月16日 22時18分

 【カイロ和田浩明】国際テロ組織アルカイダは16日、米軍特殊部隊が5月にパキスタンで殺害した最高指導者ウサマ・ビンラディン容疑者の後任に、ナンバー2でエジプト人のアイマン・ザワヒリ容疑者(59)が就任したと発表した。現在の潜伏地は不明。米欧や中東の世俗政権に対するテロ攻撃を主張してきた人物で、アルカイダは武力闘争路線の継続を明示した。

 ◇武力闘争路線を継続

 今回の発表は、インターネットのイスラム過激派サイトに「アルカイダ聖戦組織総司令部」名で掲載された。「ジハード(聖戦)はイスラム教徒の土地の占領者と、イスラム教を放棄した支配者に対し、終末の日まで続く」と宣言。パレスチナ占領を続けるイスラエルやその後ろ盾である米国、米国の支援を受ける中東の政権に対するテロを継続する意向を示した。

 ザワヒリ容疑者は、組織の活動を対米欧テロに拡大し、「棄教者」とみなしたイスラム教徒も標的にするよう主張。01年9月の米同時多発テロの首謀者の一人とされる。ただ、ビンラディン容疑者のようなカリスマ的資質を欠いているとされ、米主導の対テロ戦争で大幅に弱体化したアルカイダの再拡大を図れるかを疑問視する専門家もいる。

 ザワヒリ容疑者は98年の東アフリカ米大使館連続爆破テロ事件で米当局に起訴され、米連邦捜査局(FBI)が逮捕につながる情報に2500万ドル(約20億円)の懸賞金をかけている。

 エジプトの首都カイロ生まれのザワヒリ容疑者は、医学生時代にイスラム過激思想に心酔し、過激派「イスラミック・ジハード」を設立。81年のサダト・エジプト大統領暗殺事件に関連して逮捕・投獄された。84年に出獄後、アフガニスタンに侵攻した当時のソ連に対抗するイスラム教徒の武力闘争を現地で支援。ここでビンラディン容疑者と出会い、アルカイダの中心メンバーになった。

top
文字サイズ変更
このエントリーをはてなブックマークに追加
Check
この記事を印刷

PR情報

スポンサーサイト検索

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報