2011年4月5日18時34分
国の原子力委員会(近藤駿介委員長)は5日、福島第一、第二原発の事故を受け、昨年から進めていた原子力政策大綱改定の検討を中断することを決めた。大綱は2005年に定められた国の基本方針で、事態の収束後、事故の原因解明などを踏まえて対応する。
事故後、初めて会合を開いた。事故を「安全確保の取り組みに対する信頼を根本的に揺るがすものとして、極めて重く深刻に受け止めている」とする見解をまとめた。
現大綱は、安全の確保を前提に原子力を推進するとし、2030年以降も電力量に占める原子力の割合を3〜4割以上と定めているほか、使用済み燃料を再処理して高速増殖炉などで使う核燃料サイクルの推進などを定めている。
近藤委員長は委員会後、安全確保の前提が崩れたことについて「結果として判断基準に瑕疵(かし)があったことは認めざるを得ない」と話した。
原子力委は原子力利用の方針決定を担う委員会で、1956年からほぼ5年ごとに基本方針を定めてきた。78年に原子力安全委員会が分離した。