東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発事故後に次々と明らかになった原子力発電所の嘘はいくつかある。絶対に安全だと原発村は主張していたの に、それは完全に嘘だったことが露呈した。原発という発電システムは、一度でも事故を起こせば日本の狭い貴重な国土を消失させるほどの危険な物である以上 は、0.01%でもリスクがあったら絶対に作ってはならないものだ。

 そして原発の発電費用が一番安いというのも、事故後に次々と嘘がばれてしまった。核燃料サイクルなどを含めると12円とか13円になると推計され、実は 一番費用が高かったというオチがついている。しかも福島第一原発事故の費用を含めると1kWhあたり17円まで跳ね上がるという計算すらある。石炭が 6~8円ぐらいだと考えれば、実に倍以上の発電費用がかかることになる。
こういった嘘が次々と分かり出しているのにもかかわらず、相変わらず原発村の藤沢数希氏池田信夫氏は 原発を肯定してる。別にそれだけなら個人的には大目に見てもよかったのだが、原発を擁護したいがために連日デマをネットで垂れ流し続けるようになってし まった。その捏造ぶりは森○卓郎に匹敵するレベルであり、明らかに一般人を偽物の専門知識で騙そうとしているのは目に余る。このブログはたぶん二人とも見 ていないと思うから、さんざんこっちが出鱈目を指摘しても全く声が届かなかったのは残念でならない。少なくともコメントの書き込みの敷居が低い原発日記の 藤沢氏にだけは必死にこのブログをアピールしたが、見ていないのか全く意に反さずデマを繰り返し書き続けていたのは悲しい思いがした。最後はトラックバッ クを承認しなくなったばかりか、コメントも承認しなくなってしまった。見たくないものにフタをしたかったのだろう。原発を推進するのは百歩譲って大目に見 てもいい。しかし原発を擁護したいがためにデマはよくない。Newtonという科学雑誌を趣味で熟読してきたことや火力発電所関係で働いてきた自分から見 れば、この二人のデマはすぐ分かるが、予備知識のない人が読めば信じてしまうことだろう。実際原発日記のコメントを見ると藤沢氏の明らかにおかしな主張を 信じている人が思った以上に多いのも目に余る。このような捏造に騙されないためにも、今までの二人のおかしな主張をまとめ上げたいと思う。一人でもこの二 人の捏造に洗脳されている人が減ることを祈る。

 東海地震は絶対に起こらないらしい

東海、東南海、南海 まず浜岡原発を停止要請したのは記憶に新しいが、これについて文句をつけているのが池田信夫だ。地震が最も起こる可能性が高い浜岡原発を擁護するためにおかしな理屈を言ってのける。過去の記録では、東海地震は東南海地震と必ず連動して起きているから、だから東海地震は起きないという意味不明な理屈を書いている。
 確かに菅は地震が起きる可能性が高いからと言う理由ではあるが、本当の問題なのは浜岡原発の立地である。周りには人が沢山住んでいて、更に工場も多い。 おまけに東と西を結ぶ東海道新幹線や東名高速道路や国道1号線や東海道線が浜岡原発の近くにあり、ここが事故を引き起こせば日本経済は福島第一原発事故の 騒ぎどころの話ではなくなる。菅は地震が最も起こる可能性が高いからという理由をつけてはいたが、本当の問題は前述したとおりである。
 東海地震はすでに157年も起きておらず、いつ起きてもおかしくない状況になっている。過去の記録では東海地震が単独で起きたことがないと言っても、そ れはあくまで1000年そこそこの単位の話であり、昔ほど記録漏れはある。過去1000年そこそこでは東海地震が単独で起きていないとしても、自然の脅威 に絶対なものがないことは東日本大震災で学んだはずだ。地震に絶対ということはあり得ず、東海地震が単独で起きる可能性は十分過ぎるほどある。
 今回のような大規模な津波は滅多にないが、過去の津波の記録を見ても局地的に大きな津波は起きている。その局地的な地震によって起きた津波の高さも今回 の震災に匹敵するレベルのものもある。そして津波以外にも浜岡原発が脅威なのは、そこは活断層だらけの立地であるということだ。過去の地震の例から考え て、5000ガル(1ガルは1センチメートル毎秒毎秒で、1秒間に1センチメートル毎秒(cm/s)の加速度として定義される)レベルの地震が起きても不思議ではない。宮城内陸地震では一関市で4022ガルを観測しており、1000ガルに対応している浜岡原発がどこまで耐えられるかわかったものではないのだ。
 浜岡原発は立地の上でも災害のリスクの上でも最悪の場所に位置しているのは間違いないことである。しかも幸運なことに中部電力は浜岡原発を停止させても 最大需要電力に耐えられる電力供給が可能なのだから、ますます浜岡原発の必要性は薄い。これらを考慮すれば、東海地震は絶対に起きないかのごとく希望的観 測を語ってまで浜岡原発停止要請に反発することの愚かしさがよくわかるだろう。

 煤煙による死者を捏造する藤沢数希

死亡者 もっとおかしいは藤沢数希だ。下 の図は、大気汚染の研究で非常に有名になった論文のグラフですが、化石燃料を燃やしてできる二酸化硫黄の濃度と死者数が非常にきれいに相関しています。 10年後、20年後に癌の発生率がわずかに上昇するかもしれないという放射線の健康被害に対して、大気汚染は喘息の発作などで大気中の汚染濃度が上昇すれ ばすぐに死亡者が増えるのが印象的ですね。なんて書きながら1952年のロンドンのスモッグのデータを出しておかしな説明をし出したのには目が点になった。
 原発を擁護したいがために、厳寒による暖房用石炭燃焼の増加に逆転層よる大気の安定が重なって起きたロンドンの昔のデータを持ち出して、だから化石燃料による発電は人を殺すとまで主張する。ここまでわけのわからない情報操作をやるほどに原発村の藤沢数希氏は追い込まれているとも言えよう。
 そもそも古い時代のロンドンを例に出すなんて論外だし、日本は過去の大気汚染の経験から有害ガス除去装置を設置する義務が法的に存在している。はっきり言って過去のイギリスと比べること自体がナンセンスであり、単純に原発を肯定したいがための屁理屈でしかない。中部電力なんか通常1基でも十分な電気集塵機が2基も設置されており、世界最低水準の煤煙濃度しか煙突から出していないことを理解していれば、こんな嘘はすぐわかる。煤煙測定も法律で義務付けられていて、データロガーに設置している記録紙の保存も義務付けられている。
 こういう今の日本の大気汚染防止のための努力を何もわかっていないのが藤沢数希と池田信夫である。この二人は呆れるほどに原子力をやめて化石燃料に切り 替えると死亡者が増えると主張しているのだが、これを主張するとどんどん論理矛盾が起きてしまうのだから滑稽である。とくに原発の魅力に取りつかれている 藤沢氏はひどい。そして最近ではこう主張する。

 WHOの調査によると、日本ではだいたい1万6千人~2万人の人たちが毎年、大気汚染が原因で亡くなってしまいます。世界では200万人ほどの人 たちが大気汚染で毎年死んでしまいます。このうち自動車の排ガスが半分程度で、火力発電所の煤煙が3割程度です。アメリカでは石炭火力発電所からの大気汚 染物質の影響で、毎年3万人程度が犠牲になっているといわれており、僕はかなり心配しておりました。
 日本の火力発電所の環境技術は非常に優秀だという話もあります。下の図は、電気事業連合会が日本の火力発電所の環境性能の優秀さをアピールするた めに作った資料です。多少割り引かないといけないと思いますが、アメリカより単位発電量当たりでは10分の1程度のSOxやNOxしか出さないようです。 しかし日本はアメリカよりも、圧倒的に人口密度が高いので、そのことも考慮する必要があるでしょう。

 なんてことを書いている。電気事業連合会が日本の火力発電の環境性能の優秀さをアピールするために作った資料とあるから多少割り引く必要があるとも書い ているが、最近の測定機器は捏造が不可能になっている。昔は機械の中のある取り込み口を外して空気を入れたり、洗浄を行っている間は瞬間的に誤魔化すこと が可能だったのは確かだが、化石燃料の燃焼は安定しているからそんな誤魔化しをする意味がない。割り引かなくても日本の火力発電所は大気汚染物質をあまり 出していない。
 基本的に大気汚染物質は有害ガス除去装置を沢山設置すると濃度を低く抑えることができる。別に日本の技術が特別優れているとかそういう問題ではなく、い かに排煙防止のための設備投資を沢山したかの問題である。日本の火力発電の大気汚染が少ないのは、地域独占によって競争がないからほとんど意味のない設備 投資が可能となる。これが結果的に大気汚染を世界で一番防止していることにつながっているだけの話だ。
電気事業連合会

 で、日本は火力発電による大気汚染は約2割ぐらいだとされている。だから藤沢氏は日本での大気汚染で死亡する人数を年間18000人と仮定し、このうち 2割が火力発電による大気汚染だから3600人が死んでいることになる。現在日本の原子力発電が全体の3割を占めていて、これを全部火力発電に置き換える と火力発電が6割から9割になる。だから原子力発電所を無くせば新たに大気汚染で1800人が死んでしまうとまで書く。更にコメント欄を見てみると、こん な出鱈目を信じ切っている者が結構見受けられて幻滅させられる。
 確かに予備知識がない人ならこのデマに騙されそうだ。自分も火力発電所で働いたことがなければ騙されていたかもしれない。ならば藤沢氏が詳しそうな放射 線はどうか?年間1ミリシーベルトの被ばくを受ける地域の人が年間10ミリシーベルトの被曝をするようになったら、放射線によって癌で死ぬ人が10倍に増 えることになる。100ミリシーベルトなら100倍死ぬ人が増える。果たしてこの説明に藤沢氏は納得するだろうか?それぐらいひどい単純計算をしている自 覚が藤沢氏にあるのだろうか?もちろん火力発電所が増えると死人が増えると勝手に妄想している池田信夫氏も同様だ。
 大気汚染も放射線も短時間でどれだけ高濃度や量の被害を受けるのかが一番の問題であり、放射線問題でよく使われるホットスポットと同じ理屈で説明すれば 十分だろう。信号のある場所や踏切などでは大気汚染がひどいのは言うまでもない。自動車が最も大気汚染物質を垂れ流すのは加速時であり、どうしても汚染場 所が偏りやすくなる。WHOの推定の数字がとりあえず正しいと仮定すると、大気汚染が原因で死亡する病気が起きるのは、主にこういう場所がきっかけになる だろう。もちろんタバコとの因果関係の方が大きそうで、どこまでが大気汚染による原因かは実際のところわからない。
 しかし火力発電の場合は煙突で一定以上の流速で空気を流し込むことが法律で決まっている。もちろん煙突の高さも法律で決められている。どうして煙突を通 して大気汚染物質を流すのかと言えば、地上に降り注ぐ間に拡散させて濃度を低く抑えるためである。自動車のようにホットスポットができにくいような仕組に していて人体に影響が出ないような配慮をしている。それなのに単純計算によって1800人も死ぬ人間が増えると言ってのけるのだからたいしたものだ。
 しかしながら放射線の話の時はこういう単純計算はしていない。 だったら大気汚染の時も放射線の時と同様に単純計算すべきでないことは分かっていたということだ。これを分かっていて原発を擁護するためにここまで見事に 捏造する姿は末恐ろしさを感じてしまう。科学分野は予備知識のない人を騙すのは非常に簡単で、とくにわかったかのような数字を出すと科学に弱い人や予備知 識のない人は信じやすい。中身のない数字を強調して現実から目を逸らして捏造する三橋貴明のインチキに洗脳されるのと同じ仕組だ。このように藤沢氏のデマ にどれほどの人が信じ切ってしまったかを思うと恐ろしいものがある。

 石炭の輸入を増やしても採掘事故死はほとんど増えない

 石炭の火力発電を増やすと死人が増える。というもう一つの理由が石炭を採掘する時の事故らしい。これに関しては明らかに誤りである。炭鉱で死者が多いの は圧倒的に中国で、取れた石炭はほぼ全部国内で使い切っている。アメリカもほぼ全部国内で消費する。そんな中で石炭が余ってて他国に輸出できる国はオース トラリアとインドネシアで、日本はこの二カ国から80%を輸入している。このうちオーストラリアは2003年と2005年の死者は0人で、1999年~2005年の年平均は2.8人に過ぎない。インドネシアに関してもおおむね10人前後である。
 これなのに中国の炭鉱ではこれだけ死んでいるから日本が石炭を輸入すると死亡者がこれだけ増えるという理屈を展開して、原発は死者を出していないから素晴らしいものだとブログで宣伝している。
 更に池田氏なんて自動車事故は毎年5000人死んでいるから原発は遥かに安全だなんてわけのわからない理屈まで展開する。そもそも自動車事故と原発事故は全く異なる次元のもので比べることも愚かしい。何故にここまでして原発をかばうのか理解に苦しむ。

 核燃料サイクルと高速増殖炉の関係

高速増殖炉の仕組  原子力の燃料で使われるウランはほぼすべて235だが、高速増殖炉はウラン238をプルトニウムに変化させてMOX燃料を作り上げてしまう。ようするにプ ルトニウムを使うMOX燃料が、ウラン238を使ってプルトニウムをより増やして燃料を作れてしまう夢のエネルギーである。
 天然のウランは238が99.275%を占める。235は0.72%で残りが234。つまり、天然のウランはほぼすべてが238で占められている。原子 力発電で使われるのは実質的に0.72%しか存在しないウラン235だが、高速増殖炉は99%以上を占めるウラン238を使うのだから、可採年数は数千年 にまで増えることになる。つまり、天然のウランを数千年使い続けなければウラン資源が無くならないほどの量になって、実質的にエネルギー問題の大部分を解 決できることになる。まさに夢の発電システムで、この夢に向かって物凄い予算が使われてしまうことになった。そしてこの夢が福島第一原発事故を拡大させる ことになる。
 ここに原発村の許せない欺瞞が浮かび上がる。アメリカでは使用済み核燃料を保管するためにドライキャスクが常識的に使われるようになった。しかし日本で はドライキャスクを使わずに燃料貯蔵プールで使用済み核燃料を保管しているのだが、その理由は高速増殖炉という夢をかなえるためである。つまりドライキャ スクで使用済み核燃料を保管しておけば、停止中の福島第一原発の4号機の燃料貯蔵プールで水素爆発することはなかったのだが、ドライキャスクで保管をする と使用済み核燃料を再利用できなくなるために、結果的にリスクを高めてしまうことになってしまった。これこそ日本の原発には本当にヤバい問題があるという 証明だろう。

 燃料を増殖させるには、プルトニウムから出てきた高速の中性子を減速させない冷却材が必要になる。ようするに消費した以上の燃料を生み出す高速増殖炉の 「もんじゅ」は、単体の金属ナトリウムの液体を使う必要が出てくるのだが、これが実にやっかいで、ナトリウムの単体は水や酸素に触れると激しい反応のを引 き起こす。
 更に恐ろしいことだが、高速増殖炉はナトリウムを高温にして水を蒸気にする。このような水と激しい反応を引き起こすナトリウムで蒸気を作ることがいかに 危険かは科学者なら誰でもわかっていることだろう。安全に作ると伝熱効率が弱まるから実際には配管をあまり分厚くすることができない、極めて危ない炉であ る。原発大国のフランスが高速増殖炉の研究をやめてしまったのは、いかに夢の発電方法とはいえリスクがあまりにも高すぎるかを理解できたからだ。未だにこ んな危ない高速増殖炉の研究を続けているのは日本だけであり、もはや他の国は高速増殖炉のリスクを理解している。日本の学者だってバカじゃないから非常に 危険なものだとわかっているはずで、本音は実現不可能だと考えているだろう。このように、ほとんど実現不可能にもかかわらず極めて危険な核燃料サイクルに よってのみ可能になる高速増殖炉の夢が、結果的に福島第一原発の停止中の4号機まで水素爆発を引き起こしたのである。まさに一度動き出したら必要がないと わかっても止まらない公共投資と同じで、これが4号機の爆発で被害を拡大させる間接的な元凶となってしまったのだ。

 もう終わったことをあれこれ言っても何も始まらないから、いつまでも高速増殖炉という夢のために燃料貯蔵プールに使用済み核燃料を保管するのはやめて、いますぐにでもドライキャスクに使用済み核燃料を移してしまった方がいいだろう。
 この使用済み核燃料は原子力発電所を使い続ける限りは増え続けることになる。しかもこの核のゴミを捨てる場所が未だに日本にはなく、この費用を現在1世 帯当たり平均108円分を電気料金として密かに徴収して、12.6兆円ほど核燃料の再処理費用が積み立てられている。これが将来18.8兆円になり、核燃 料の処理費用に使われる。しかも、この金額は今後も膨らみ続けると予想され、実際には予想の倍以上の処分費用になるかもしれない。もちろん核燃料サイクル なんて幻想をやめれば幾分は安くなると思われるが、今のところ不透明である。使用済み核燃料の中間貯蔵施設すらない状態で核のゴミを出し続けているのは異 常な状態なことだが、それを世界中でやっているのだから笑えない。ちなみに日本では青森県のむつ市で中間貯蔵施設を建設中で、予定では2012年に稼働予 定となってはいる。以上高速増殖炉という科学者の夢と使用済み核燃料という負債から転載。
 これはいまさら人に聞けない核燃料サイクル日本の原発の本当にヤバい問題 -ためこまれる使用済み核燃料に対する皮肉で書かせてもらった。

 原発大国韓国の電気料金が安いのは嘘

2010エネルギー白書 フランスは別格としても、韓国も割合的には原発大国と言えるかもしれない。そして韓国の電気料金が圧倒的に安いことに狂喜乱舞しているのが藤沢数希という人物だ。韓国では原発の稼働率が9割を超えているから電気料金が安いんだと強調したいようだが、韓国の電力会社は大赤字で税金によって補填しているだけに過ぎない。税金で赤字を補填しているのだから、グラフの電気料金なんて全く当てにならない。
 しかも原発の使用年数を60年にしているからとか、もはや支離滅裂だ。稼働率が上がれば電気料金を少し引き下げる要因にはなるが、核のゴミを出し続けるだけの稼働年数増加は別の費用を増やすことにつながる。
 上でも書いていることだが、核のゴミの処理費用は原発を稼働させ続ける限りは増え続けることになる。そしてこの費用がどこまで膨らむのかも正確に計算で きていないのだ。韓国も同様の悩みを抱えていることは想像に難しくなく、税金や使用済み核燃料処理を含めた電気代を考えれば決して安くはないと思われる。
 それに稼働率が高いということは別のリスクを生みやすくなる。水圧テストや安全弁封鎖テストはもちろんのこと、保守点検がおろそかになってもいいのだろ うか?ただでさえ他国と違って日本は地震大国で、安全を無視してでも稼働率を上げることは別のリスクを上げることにもなる。
 何しろ福島第一原発の1号機では安全弁が正常に作動しなかったせいなのか、ベント弁を開ける危険な作業をやってしまった。常に最悪の事態を想定して水蒸気爆発や蒸気漏れを避けるためにも検査は絶対におろそかにはできないのだ。地震大国の日本ならなおさらである。

 人間の心理を理解できていない藤沢数希

 放射能は濃度が低ければそれほど危険ではない。確かに過去のデータから見た限りでは否定できない事実である。だから怖いのは放射能より人ですよ。科学的な思考ができない人の集団ほど厄介なものはありませんから。と書いたのだろう。藤沢氏に科学を語る資格はないが、大気汚染問題と違って原発の放射能に関しては正しい発言である。
 しかし問題なのは科学的なことではなく人の心理の方で、じゃあ藤沢は自分の子供に福島県産と名前のついた食べ物を与えるのかという話だ。いくら科学的に 安全とわかっていても、それがわずか0.01%でも確率が上がるとなれば心理的に拒否反応を引き起こす。科学的な思考以前の問題で、例え放射線や放射能物 質に詳しい科学者だって自分の子供に福島県産や宮城県産や茨城県産と名前がついているだけで避けてしまうだろう。これをいちいち否定しても仕方がない。人 間とはそういうものだ。
 安全と分かっていても日本にやってくる外国人は大きく減っている。どんなに科学的な根拠を示そうが、人の感情はそういうことではなかなか動かないもの だ。いくら東日本大震災後にガソリンや食糧や生活必需品を買い占めるな。在庫はいくらでもあとから出てくると言ったところで民衆のパニックは止まらない。 そういう前提で物事を考えなくては取り返しのつかない結果となる。そして人の心理は科学で語れないものでもある。大事なのはそういう心理状態にさせないこ とで、いくら理屈を並べても見えないものや分からないものに対して受け付けなくなるのが人間というものだ。藤沢氏は金融や国家財政について語っているのだ から、この程度のことは分からないはずはない。

 というわけで今までの二人の発言をできる限りまとめ上げさせてもらった。こうして書きながら復習してみると、いかに信じられないような嘘や希望的観測を 垂れ流していたかがよくわかる。冗談抜きでこの二人は原発関係者に金でももらっているんじゃないかとさえ疑いたくなったほどだ。
 原発は危険で国土を失う可能性はあるが、それでも動かせというのならまだいい。これはあくまで価値観の問題だからだ。しかし、ブログ読者を騙してまで事 実を捏造するのは明らかに倫理に反する行為である。しかも捏造と分かっててデマを垂れ流しているとしか思えない部分が非常に多いようにも感じてしまう。原 発を推進しようが勝手だが、そのためにデータを捏造するのはもうおしまいにしてもらいたい。
 それにしても北村隆司はこういう原発村のデマのどこが客観的だと言うのだろうか?ネットという便利なツールがある時代なのだから、この二人がいかに主観的で独善的かは理解できてもいいだろうに。


当記事は日本経済をボロボロにする人より管理人のnnnhhhkkk氏のご好意で転載させていただいています。

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