菅首相が犯した罪は数知れずあるが、その中でも最大の罪は国民の間で芽生え始めた脱原発の流れを止めたことだ。
彼の脱原発は偽物だったのだ。
それを見事に表したのが3月12日の彼の言動である。
首相を辞めた後を考えるとうれしくてしかたがない。邪魔にならないように政治活動を続けて行きたい。バイオマスに携って行きたい・・・
そういって伸子夫人と赤坂の居酒屋をはしごしたという。
なんと言う無責任さだろうか。
見ているがいい。脱原発の動きは急速にしぼんでいくだろう。
我々は福島原発事故という千載一遇のチャンスを、この国の権力構造の変革の為に生かす事ができなかったのだ。
これこそが菅首相の大罪なのである。
福島原発事故が発生して以来、一貫して脱原発を主張してきた東京新聞が、今日(8月13日)のこちら特捜部で見事にそれを言い当てている。
すなわち、高橋はるみ北海道知事がストレステストを省略し来週にも泊原発3号機の運転を再開すると。
すなわち、菅首相は退陣前の最後の国会答弁で、脱原発宣言を迫った福島みずほ社民党党首に対し、菅首相は最後まで名言を避けたと。
すなわち、菅首相の後に誰が民主党代表に選ばれようとも、原発存続の方向に進むだろうと。
その東京新聞は、同じ紙面で、国の放射能対策の遅れを厳しく追及し続ける児玉龍彦東大アイソトープ総合センター長の講演要旨を掲載している。
菅民主党政権の放射線被曝に対する無策と国民軽視を、児玉教授の言葉を借り東京新聞は批判しているのである。
今からでも遅くない。
菅首相夫妻は、脱原発が偽物でないというのなら、首相を辞めた後こそ、国民の中に湧き上がってきた脱原発の流れをこの国に定着させるよう、先頭に立って原発推進の諸勢力と闘うべきだ。
それが出来ないのならこれ以上議員活動を続けて晩節を汚してはいけない・・・