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「今でも爆撃思い出す」 大阪・京橋駅空襲慰霊祭

「今でも爆撃思い出す」 大阪・京橋駅空襲慰霊祭
慰霊碑に手を合わせる京極俊明さん

 終戦前日の昭和20年8月14日、米軍の爆弾が現在のJR京橋駅(大阪市城東区)を直撃し、乗客ら数百人の命が奪われた京橋駅空襲。14日に66回目の慰霊の日を迎え、同駅近くで慰霊祭が営まれる。

 「今でも高架下で電車が通り過ぎる轟音(ごうおん)を聞くと、爆撃を思い出す」と話すのは慰霊祭世話人会会長で元府議の京極俊明さん(80)=大阪市北区。

 当時、旧制生野中学校(同市生野区)に通っていた京極さんは、空襲警報が鳴ったため、直ちに帰宅を命じられ、友人2人と城東線の寺田町駅から大阪駅行きに乗った。途中、「爆撃のたびに、電車が上下に揺れた。車内は大混乱だった」と振り返る。

 電車が京橋駅に到着したのは午前11時過ぎ、片町線の連絡口へ走ると、40〜50歳ぐらいの男性から「ここはもういっぱいや」と突き飛ばされた。泣きじゃくりながら別の避難場所を探し、屋外の高架下に駆け込むと、そこでも軍刀を持った将校から別の場所へ行くように指示をされた。

 結局、京極さんは近くの溝に隠れたが、まもなく、爆弾が駅を直撃し、将校らの姿は消えていた。

 「もし、将校らが自分を迎え入れていたら、自分も死んでいたかもしれない」と京極さん。その後、一緒に下校した友人が亡くなっていたことも知った。

 「駅で亡くなった人たちは避難のため家などに向かう人々が多かったはず。途中で命を落とし、家族に会えず、どれほど無念だったことか」

 京極さんは、昭和30年から始まった慰霊祭への出席を30年以上、続けている。「今では地元でも、当時のことを知る人が少なく、慰霊碑にいたずらをする人さえいる。戦争の悲惨さを伝え続ける灯を守っていきたい」と話していた。

関連ワード:
太平洋戦争    電車  大阪市  いたずら  

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