「気持ちがなえて辞めることだけはしたくなかった」。菅直人首相は十二日昼、官邸での民主党の石井一副代表らとの会合で、自らの退陣を明言したことに関し、こう語った。東日本大震災以降、批判を浴び続けてきたが、公債発行特例法案などの成立にめどがつき、首相としての責務を果たしたとの思いを示したかったようだ。
会合には同党の衆院若手議員ら約二十人も同席。首相は一年二カ月余の政権運営について「自分も野党の時は随分(首相を)攻めたが、攻められるのがこんなにつらいとは思わなかった」と振り返った。次期政権の課題となる与野党協力に関しては「野党は甘くないぞ」とくぎを刺した。
六月の内閣不信任決議案については「否決できたが、五、六十人も造反すれば政権運営は不可能になっただろう」と述懐。
退陣後はバイオマス(生物資源)の活用に携わりたいとした上で「辞めてからのことを考えると、うれしくて仕方ない」と軽口もたたいた。
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