ロシア宇宙局のポポフキン長官が有人宇宙飛行について、巨額の費用がかかることを理由に見直しを示唆した。スペースシャトル引退後、ロシアは国際宇宙ステーション(ISS)に人員を運べる唯一の国となっており、ISS計画の費用負担などをめぐる牽制(けんせい)と見られる。
11日付のロシア紙「コメルサント」がインタビュー記事を掲載した。長官は「現在、宇宙局の予算の半分が有人飛行計画に充てられている」と発言。「単にだれかが『軌道』に出たいというだけなら、効果的な活動とはいえない」などと語った。
長官は「ISSについては義務であり、実現しなければならない」としながらも、ロシアにとって優先順位の高い課題として衛星測位システムや遠隔地質探査、気象装置などを列挙。「有人飛行には成果が必要だ」とも述べた。