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FC 第三節「白き肌のエンジェル」
第二十八話 ドキドキ学園生活!
<ルーアンの街 カジノバー・ラヴァンタル>

「お仕置きですって? 面白そうね、私も参加させてもらおうかしら」
「ふん、あんたに手伝ってもらうまでもないさ」

レイヴンの青年は女性の言葉にそう答えた。

「うわっ!」

その直後に悲鳴を上げて倒れたのはエステル達に詰め寄っていたレイヴンの青年の方だった。
女性の放ったムチが青年を直撃したのだ。

「てめえ、何しやがる!」
「何って、お痛が過ぎる子にお仕置きをしてあげたのよ」

そう言って薄暗い酒場の隅から姿を現したのはボース地方でエステル達と別れたシェラザードだった。

「シェラ姉!」

シェラザードの姿を見たエステルは嬉しそうな声を上げた。

「シェラ姉は、パパと一緒に帝国に居たんじゃないの?」
「そうだったんだけど、事情があってね」

アスカが尋ねるとシェラザードはそう答えた。
そして、ムチを構えてレイヴンの青年達の方を見据えて言い放つ。

「積る話は、この子達にたっぷりとお灸を据えた後にしましょうか、ウフフ……」
「ひ、ひええっ!」

シェラザードの鋭い眼光ににらまれたレイヴンの青年達は冷汗を流しながら悲鳴を上げた。

「さあ、あんた達、知って居る事を洗いざらい吐いてもらおうじゃないの。吐くのが胃液しかなくなるぐらいに空っぽになるまでね!」
「あの、お客さん店の中で暴力行為は止めて……うわっ!」

危険を感じて止めようとした店のマスターが振り下ろされたムチに驚いて後ずさった。
もうすっかりレイヴンの青年達の酔いは覚めてしまい、エステル達も手出しができないシェラザードのワンマンステージが始まった。
シェラザードはムチを使って脅しつけながら、孤児院の放火に関する質問を浴びせる。
余計な口答えをした者には容赦無くムチの一撃が飛んだ。

「遊撃士が暴力を振るっていいのかよ!」
「うるさいわね、こうでもしないとあんた達は本当の事を話さないでしょう?」

そんなレイヴンの青年達とシェラザードのやりとりを見て、エステル達はシェラザードの真の恐ろしさを知った。
遊撃士になるための指導を受けている時、シェラザードはムチを使ってエステル達を脅しつける事はしたが、ムチをエステル達の体に叩きつける事は決してしなかったのだ。
見ているエステル達も恐怖を感じるような尋問の時間が終わると、シェラザードはため息をつく。

「これだけキツイ目にあわせても、放火への関与を認めようとしないなんて……きっとこいつらは放火の犯人じゃないわ」
「ええっ、でも証拠があるじゃない!」

アスカはそう言って、ダルモア市長から受け取ったレイヴンのメンバーの証であるバンダナを突き出した。
しかし、シェラザードは厳しい顔をして首を横に振る。

「それはあくまで状況証拠よ。さらに、この酒場のマスターの他にこの店で飲んだくれていた連中を見たって目撃者が現れれば、アリバイは完璧だわ」

シェラザードの言葉を聞いたアスカは悔しそうに肩を落とした。
レイヴンの青年達の尋問を終えたシェラザードはエステル達を伴って遊撃士協会へと戻る事にした。
酒場のマスターは引きつった笑みを浮かべて、今回のシェラザードの食事代を無料にすると申し出ると、シェラザードは満足した笑みを浮かべて「また来るわ」と言って酒場を後にした。
その後マスターとレイヴンの青年達によって店の前に大量の塩が撒かれたのだった。



<ルーアンの街 遊撃士協会>

「そっか、ダルモア市長が言っていたロレント支部出身の凄腕遊撃士ってシェラ姉の事だったのね」
「ははっ、そう言う事だったんだよ」

アスカのガッカリしたつぶやきに、受付のジャンは愉快そうにそう言った。

「まさか、自分達の事かもしれないと少しでも思ったのかしら? それはうぬぼれってものよ」
「僕達はまだ正遊撃士のみなさんの足元にも及びませんからね」
「何よシンジったら、いい子ぶりっこしちゃってさ」

シンジの言葉にアスカはつまらなそうにそう言った。

「でも、レイヴンが犯人じゃないとするとまた最初から犯人探しをしなければいけないね」
「そうね、とりあえず何から始めた方が良いと思う、シェラ姉?」
「その事だけど、あなた達にはこの放火事件の捜査から外れてもらうわ」

ヨシュアのつぶやきをきいたエステルがシェラザードに質問すると、シェラザードはそう言い放った。

「ええっ、どうして!?」

納得がいかないと言った感じで、アスカはシェラザードに詰め寄った。

「あなた達は感情的になりすぎているのよ。だから冷静な判断が出来ずに早急に犯人を決めてしまおうとするミスを犯す。捜査の足を引っ張るだけだわ」
「だけど僕達も、放火をした犯人を許してはおけないんです。クラム君と約束したんだ、僕達が犯人をこらしめるって」

正論を説くシェラザードだったが、シンジが強い意志を示してなおも食い下がった。
シェラザードはシンジの成長を内心喜んだが、それをひた隠しにして受付のジャンに尋ねる。

「正遊撃士と準遊撃士の希望する仕事がかち合った時、優越されるのはどちらと規約で定められているのかしら?」
「それは正遊撃士だね」

ジャンはため息をつきながらシェラザードにそう答えた。

「だけど、アタシ達にも分担できる捜査はあるんじゃないの?」
「悪いけど、この事件は私が追っている事件ヤマと関係があるのかもしれないのよ。だから余計な手出しをして欲しくないの」

アスカの申し出も、シェラザードは固く拒否する姿勢を見せた。

「もしかしてその事件が帝国からこちらに戻って来た原因ですか?」
「そう、カシウス先生に頼まれて追跡調査をしているのよ」

ヨシュアの質問に、シェラザードはそう答えた。
カシウスの名前が出て来た事で、シェラザードの抱える事件の大きさを知ったエステル達は引き下がるしか無かった。
悔しそうな顔をするエステル達に、受付のジャンが声を掛ける。

「そうだ、君達に新しい仕事があるんだ」
「どんな仕事ですか?」
「今月の末に行われる、ジェニス王立学園の文化祭を手伝って仕事さ」

ヨシュアに尋ねられたジャンはそう答えた。

「それって、遊撃士の仕事なの?」
「地域の住民と交流を図る事も遊撃士の立派な仕事さ」

あきれた顔でぼやいたアスカをジャンはなだめた。
ジャンの言葉にヨシュアは納得したようにうなずく。

「広報活動みたいなものですね」
「それに文化祭では孤児院の子達を招待して元気付けようと、クローゼ君も頑張っているようだから、君達もぜひ協力してあげて欲しい」
「でも、僕は放火した犯人をこの手で見つけたい気持ちもあります」

ジャンの説明を聞いたシンジは未練を残した様にそう言うと、ジャンはシンジの目をじっと見つめて話す。

「孤児院を放火した犯人を見つける事はシェラザードにだって出来る。クローゼ君に協力して孤児院の子供達を楽しませる事こそ君にしか出来ない事だろう?」
「そうですね」

今度こそシンジは納得したようにうなずいたのだった。



<ルーアン地方 ジェニス王立学園>

遊撃士協会からジェニス王立学園に向かったエステル達は、学園の正門で待っていたクローゼと合流する。

「学園長先生から皆さんが来るって連絡を受けて、すぐにでも会いたくなって授業を抜け出してここまで来ちゃいました」

クローゼは「皆さん」と言っているが、その瞳はじっとシンジを見つめていた。
アスカはそのクローゼの表情を見抜いて不機嫌な顔になる。

「授業をサボるなんて、不真面目よ」
「先生にお願いして、皆さんを迎えに行く許可は出させて頂いたんです」
「それなら問題無いね」

何が「問題無い」よ、とアスカは心の中でつぶやいた。
クローゼはエステル達を学園の中へと案内する。
正門と校舎の間にある広い校庭は授業中だと言う事で人気が全く無かった。
校舎に足を踏み入れると、廊下も教室から漏れ聞こえて来るわずかな声以外静まり返っている。
エステル達は私語の1つも出来ないぐらいに緊張した。
クローゼが学園長室のドアをノックすると、中から老人の声が返って来た。

「失礼します」

クローゼはそう言って学園長室のドアを開け中に入る。
エステル達もクローゼに続いて部屋へと入った。

「学園長先生、遊撃士の方々がお越しになられました」
「いやあ、その若さで遊撃士と言うのは大したものだ」

立派な椅子に腰かけて、博士帽を頭にかぶった白髪と長い白い髭を生やした老人、コリンズ学園長はエステル達の姿を見て感心したようにつぶやいた。

「初めまして、学園長先生。あたし達遊撃士協会から来ました!」

エステルのその言葉を筆頭に、エステル達はそれぞれ自分の名前を名乗った。
コリンズ学園長はエステル達に学園祭が終わるまでの期間、ジェニス王立学園の制服の支給、学食の無料利用、宿泊場所となる寮の提供などを申し出た。

「これだけ厚遇してもらったら、それに応えないといけないね」

ヨシュアはエステルにそう声を掛けた。

「学園長先生、アタシ達、頑張ります!」
「君達が劇を盛り上げてくれる事に期待しているよ」

アスカが力一杯宣言すると、コリンズ学園長は穏やかな笑みを浮かべてそう言った。
そこで授業終了のチャイムが鳴る。
生徒達の歓声が上がり、すぐに廊下が騒がしくなった。

「それでは学園長先生、私はエステルさん達を生徒会室に案内するので失礼いたします」
「うむ」
「失礼します」

クローゼに続いてエステル達もコリンズ学園長に頭を下げて学園長室を退出した。
廊下に出たクローゼは見かけないエステル達を連れているので注目を集めた。
質問責めにされると思ったエステル達だったが、遠巻きに見ているだけで誰も生徒は声を掛けては来なかった。
行く手を塞いでいた生徒もクローゼが近づくとさっと道を開けた。
エステル達はその様子に違和感を覚えながらもクローゼの後を追いて行った。
校舎を出て、隣接するクラブハウス棟へ入ると、1階は学食と購買があった。
クラブハウス棟は2階建てで、2階には部活動用の男女更衣室と生徒会室と資料室があるらしい。
エステル達がクローゼに案内されて生徒会室に入ると、部屋には眼鏡を掛けた少女と紫の髪の少年が机の上の書類を見ながら話し合いをしていた。
2人は部屋に入って来たクローゼ達に気が付くと顔を上げてクローゼとエステル達を見つめた。

「ジル、ハンス君、お待たせ。遊撃士の皆さんを連れて来たわよ」
「うわぁ、4人も来てくれるなんて助かる~!」
「これで役者不足も解消されそうだな」

クローゼの言葉に、眼鏡少女と紫の髪の少年は歓声を上げた。
そして眼鏡少女は生徒会長をしているジル、紫の髪の少年は副会長のハンスと自己紹介をした。

「今度の文化祭は社会科・人文科クラス共同で歴史劇をやる事になったのよ」
「クローゼ君の提案でね。これは文化祭が盛り上がる名案だと思ったよ」
「そんな、私は孤児院の子達が喜んでくれそうなものを考えただけです」

ジルとハンスに言われて、クローゼは照れ臭そうな顔で軽く首を横に振った。

「それは、孤児院が火事になった後に考えたの?」
「だから、脚本すら決まっていない状況なんだ」

シンジの質問にハンスはごまかし笑いを浮かべて答えた。
ハンスの言葉を聞いたアスカがあきれ顔でため息をつく。

「それじゃ手伝いようが無いじゃない」
「脚本の方も手伝ってよ、ね?」

ジルはアスカ達に拝むように手を合わせて頼み込んだ。
放課後の時間、エステル達は生徒会室に籠って夕方になるまで劇の脚本について話し合ったが、決める事は出来なかった。

「もう、今日の所はこの辺にしましょう。慣れない環境でエステルさん達も疲れただろうし」
「まあ、明日になれば名案が浮かぶかもしれないしさ」

ジルとハンスの提案により、その日の話し合いは打ち切りとなった。
エステル達は学食で夕食を摂る。
この学食では食事の注文にチケット制を使っていて、手元にチケットの半分が残るので何を食べたのか後でも判る仕組みだ。
エステル達の食事代が精算されると聞いたハンスはうらやましがる。

「なあ、俺の食事代も払ってくれよ」
「生徒会の役員が不正行為をしないの」

ハンスの言葉にジルがツッコミを入れた。

「クローゼさんも生徒会の役員なの?」
「いえ、私はフェンシング部に所属しながら生徒会のお手伝いをしているんです」

クローゼはヨシュアの質問に答えて、ジルとハンスと親しくなったきっかけになった出来事を話し始めた。
それはサボりの常習犯だった前の生徒会長を捕まえるのに協力した事で、その逃亡劇の内容は面白く、夕食の席を盛り上げるのには充分だった。
アスカは注文したメニュー”お嬢様プレート”を食べていたが不満そうに声をもらす。

「このハンバーグ、もうちょっと脂っこさが欲しいわね」
「さっぱりとした味で私は好きなのですが、アスカさんの口には合いませんでしたか?」

”お嬢様プレート”を勧めたクローゼが不安そうな顔をして尋ねた。

「アスカはね、シンジが作ったハンバーグじゃないと満足しないんだよ」
「バ、バカっ、ばらすんじゃないわよ!」

エステルがクローゼにそう言うと、アスカは顔を赤くしてエステルに注意した。

「へえ、それはお熱い事で」

ジルもニヤケ顔をしてアスカを見つめた。

「シンジさんは料理をなさるんですか?」
「うん、自己流だけどね」
「それでは、今度は私に料理を教えてくださいませんか?」
「きっとクローゼさんの方が上手いと思うから僕が教える事は無いと思うよ」

クローゼの質問にシンジは照れ臭そうに答えた。
アスカはクローゼが目を輝かせてシンジを見つめているのが気に食わない。
余計な事を言わなければ良かったとアスカは思ったのだった。
そして、エステル達は男子寮と女子寮に別れてそれぞれ眠りにつく事になった。
就寝前、女子寮に居るエステル達はヨシュアとシンジの話で盛り上がった。

「じゃあエステルさんはヨシュアさんとつき合っていないのですか?」
「うん、恋人ってよりは弟みたいなものだから」

クローゼの質問にエステルは迷いもせずにうなずいた。
その様子にジルが思わず深いため息を吐き出す。

「で、アスカもシンジ君の事を恋人として認めたくないわけだ」
「まったく、女の子に見境なくデレデレするんだから」
「おやおや、それってヤキモチですか?」
「違うわよ、同じ家族として恥ずかしいと思っているだけよ!」

ジルに対してアスカは強く否定した。
そのアスカの言葉を聞いたジルはニヤリとした笑いを浮かべてクローゼに話し掛ける。

「それじゃあクローゼにもシンジ君の恋人になれるチャンスがあるんだ、良かったじゃん」
「そ、そんな、私は……」
「別にアタシはシンジが誰と付き合おうが気にしないわよ」

アスカはこの後、勢いで言ってしまった自分の言葉を激しく後悔する事になった。
その一方、男子寮のシンジとヨシュアとハンスの3人は、劇の脚本について雑談を交わしていた。
王立学園の文化祭にふさわしく、さらに孤児院の子供達を楽しませる事が出来る物。
ヨシュアとハンスは童話や歴史物など様々な話を挙げていたが納得がいかないようだった。

「少し、外の風に当たって頭を冷やして来る」
「僕も行くよ」

そう言って、ハンスとヨシュアは寮の外へと出て行った。
部屋に残ったシンジは昼間のクローゼの笑顔を思い浮かべていた。
シンジは第三新東京市に居る間は、女子に持てたと言う経験は無かった。
レイもシンジの事を好いているようだったが、それは明確な恋とは違う気がしていた。
リベール王国にやってきてからも、エステルも、その友達のエリッサとティオもシンジに恋愛感情を抱いた様子は見られなかった。
しかしシンジはクローゼから自分に対する好意のようなものを自分を見つめる瞳の輝きや自分に向けられる笑顔から感じ取っていた。
シンジはこの世界に来てからの努力が認められた気がして嬉しい気持ちがする半面、困ってしまった。
今までずっとアスカを見つめ続けて来たシンジは、アスカが照れを隠すために素直な事が言えない事は知っている。
だが、ストレートに好意を示してくれるクローゼも魅力的に感じたのだ。
シンジは、アスカとクローゼの間で心が揺れている自分に気が付いてさらに戸惑った。
自分が好きになる相手を選ばなくてはいけなくなるとは思ってもみなかったのだ。
シンジがそんな事を考えていると、部屋へ慌てた様子のハンスとそれをなだめるヨシュアが戻ってきた。

「聞いてくれシンジ、俺達はさっき”天使”に会ったんだよ!」
「天使だって!?」

ハンスの言葉を聞いて、シンジは驚いて聞き返した。
確かテレサ院長や孤児院の子供達も火事の時に天使を目撃したと言っていたはずだった。

「うん、テレサさんから聞いた特徴と一致していたよ。多分、同じだと思う」
「ヨシュア、本当にあの子を知らないのか? 向こうは嬉しそうな笑顔を浮かべて近づいてきたじゃないか」

ハンスが尋ねると、ヨシュアは首を横に振った。

「暗がりに居た僕を誰かと勘違いしたんじゃないのかな。僕の顔を見た途端、驚いた顔になって立ち去って行ったし」
「ヨシュアに良く似たやつと言えば、シンジか?」
「僕はそんな子は知らないよ!」

ハンスに言われて、シンジは力強く否定した。

「でもなあ、本当にキレイな白い肌をした子だったよ。まるで、月から降りて来た女神様の使いのようだったよ」
「それなら、今頃月に帰ってしまっているかもしれないね」

ハンスの言葉を聞いて、ヨシュアは苦笑しながらツッコミを入れた。

「そうだ、僕が知っている話に『かぐや姫』って話があるんだけど劇の脚本に使えないかな?」

シンジがそう言って日本に伝わる物語であるかぐや姫のあらすじを話すとハンスとヨシュアは興味を持ったようだ。
そして翌日にエステル達にかぐや姫の話をすると、アスカはシンジより詳細にかぐや姫の物語の説明をした。
アスカから話を聞いたジルは興奮したように叫ぶ。

「時の権力者を影ながら批判するために書いた物語だなんて、燃える展開ね!」
「ああ、しかも物語の形を採っているから子供達にもわかりやすいな」

ハンスも詳しい内容を知って改めて感心したようにつぶやいた。

「でも、良くそんな話をご存じですね。雰囲気からしてカルバード共和国のお話ですか?」

クローゼに質問されて、東方のカルバード共和国のさらに東の国から伝わる物語だとシンジとアスカはごまかした。
そしてクローゼも賛成し、エステル達が文化祭でやる芝居の演目は『竹取物語』に決まった。

「さっそく今日の授業が終わったら配役を決めたいな」
「それに物語の最後はハッピーエンドに変えた方がスッキリとするわね」

ハンスとジルは朝からやる気に満ち満ちている様子だった。
それからエステル達は学園祭の準備の仕事に専念する事になった。
シェラザードがルーアン支部にやってきた事で余裕ができたと言うジャンの計らいだった。
午前中は教室で授業を受け、昼食を食べ、放課後は劇の練習に励む日々。
エステルとヨシュアは初めて体験する学園生活を新鮮な気分で楽しみ、アスカとシンジは久しぶりの学校生活を懐かしむように満喫した。
そしてエステル達はあっという間に文化祭の日を迎えたのだった。
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