ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン福井> 記事

陸前高田の松、支援「薪」に再生 県内からボランティア

2011年5月1日

写真

出発式を終えて被災地に向かう準備をするボランティア=越前市粟田部町

写真

高田松原から流されて散乱している松の木=岩手県陸前高田市、NPO法人「ふくい災害ボランティアネット」提供

 東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の国の名勝「高田松原」の松を回収し、薪として再生させる「復興支援“薪(まき)”プロジェクト」に向けて、重機を操作するボランティア16人の出発式が30日、福井県越前市内で開かれた。メンバー代表の辻猛さん(63)は「被災地を放っておくわけにはいかない」と意気込んだ。

 高田松原は震災前、海岸沿いに約7万本の松の木々が2キロほど続く景勝地だった。しかし、津波に襲われて1本の松を除き、折れたり、流されたりして、今も同市内の広範囲に大木が散乱している。

 この光景を目の当たりにした県内のボランティアが「地域のシンボルだった松を廃棄するのは忍びない。薪として再利用できないか」と、NPO法人「ふくい災害ボランティアネット」に提案。同ネットが陸前高田市側の意向も確認し、今回のプロジェクトが企画された。

 木々の回収や運搬で重機を扱う必要があるため、全日本建設交運一般労働組合北陸ダンプ支部のメンバーら16人がボランティアとして協力。16人は5月6日朝まで被災地に滞在し、回収作業にあたる。

 出発式で同ネットの細川かをり理事長は「この出動が流木を生かし、復興に役立てる第一歩になります」とあいさつ。16人は大型ダンプカーやクレーン車などに乗り込んだ。

 集められた木々は「復興支援“薪”」と名付け、全国に向けて販売。その収益を同市の支援に充てる。販売の時期や価格、方法については同ネット内で検討中だという。(荻原千明)

PR情報

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介

ここから広告です