「民主北海道連、朝鮮総連系劇団に広告料」の記事詳細：イザ！

　民主党北海道連が２００１（平成１３）年から昨年にかけ、在日本朝鮮人総連合会（朝鮮総連）傘下の民族芸術団体「金剛山歌劇団」（東京都小平市）の札幌公演パンフレットに、税金が原資の政党交付金を使って広告を出していたことが１２日、産経新聞の調べで分かった。民主党が間接的に北朝鮮の政治体制を支持してきたことになり、菅直人首相ら複数の民主党議員側が、拉致事件容疑者の長男が所属する政治団体の周辺団体に献金していた問題に続き、北朝鮮側との密接な関係が浮上した。

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記事本文の続き■膨大な収益は資金源に

　金剛山歌劇団は１９５５（昭和３０）年に在日朝鮮中央芸術団として創立。７４年に当時の金日成主席の命名で金剛山歌劇団に改称した。北朝鮮の主体思想に基づいた「チュチェ芸術」を日本国内に伝えることが目的とされている。

　北朝鮮は「唯一の海外総合芸術団体」と位置付け、７４年に最高の栄誉とされる金日成勲章を授与したとされる。ホームページによると、団員は７０人で、朝鮮学校卒業生らがメンバー。日本や北朝鮮のほか、韓国、中国、ロシアで公演を行っている。

　政党交付金使途等報告書や関係者によると、北海道連は２００１年～昨年まで０５年を除き、歌劇団の札幌公演を主催する「実行委員会」に毎年５万～１０万円を広告料として支出していた。

　使途等報告書に記載された実行委員会の所在地は朝鮮総連北海道本部と同じ住所だった。支出総額は計５０万円だが、歌劇団の膨大な収益は朝鮮総連の重要な資金源と指摘されており、北海道連が広告を出したことで、他の企業などの広告主にも影響を与えた可能性がある。

■「優れた海外芸術支援が目的」

　昨年１０月に開かれた札幌公演のパンフレットには、１ページ目に民主党の全面広告が載っており、「歓迎　金剛山歌劇団」という文字の下に、北海道連と道議会の民主党会派の名前が記載されている。パンフレットは非売品で、広告出稿団体などに対してのみ支給されているという。

　公安関係者は「当然、広告としての効果はあまりなく、広告費は歌劇団を支援するための支出という側面が強い」と指摘している。

　昨年のパンフレットには、民主党の有力支持団体の連合北海道や北海道教職員組合なども広告を出していた。

　民主党北海道連の保村啓二組織局長は政党交付金からの広告費支出について「優れた海外の芸術を支援する目的で、継続して支出してきた。北朝鮮を支援するという意識はない」とした上で、「（９月に予定されている）今年の札幌公演への支出については今後、判断する」と話した。朝鮮総連北海道本部と金剛山歌劇団からは、取材への回答は寄せられなかった。

　政党交付金　政党への公的助成金で、特定の企業や団体との癒着防止のために１９９５（平成７）年から導入された。議員数や得票率に応じて配分される。使途は制限されないが、借金返済や貸し付けには充てることはできない。２００９年の政治資金収支報告書によると、民主党本部が０９年に受領した交付金は約１３６億円。収入額の約８３％を占めていて、自民党本部の割合（約７０％）を上回っている。

■「首相は見解明らかに」

　拉致被害者や家族らの支援組織「救う会」会長の西岡力・東京基督教大教授の話「北朝鮮に制裁をしているのに、民主党が税金を使って北朝鮮や朝鮮総連の体制を支えているようなもの。菅首相は党代表として見解を明らかにすべきだ」