メカニズム「東海」同様か 12日の遠州灘M5.2(8/13 09:32)
気象庁は12日未明に発生した遠州灘を震源とする地震(マグニチュード=M5・2、最大震度2)について同日、想定東海地震と同じメカニズムで発生した可能性が高いことを明らかにした。同庁の担当者は、ひずみ計に変化がないことなどから「直ちに東海地震に結びつくものではないが、しばらく注視する」と話した。
気象庁によると、地震は想定東海地震の震源域内で発生した。震源の深さは14キロで、プレート境界か、境界付近で起きたとみられる。フィリピン海プレートが沈み込んでいる方向と同じ北西―南東方向の圧力軸を持つ逆断層型だった。
余震とみられる地震は同日午後4時までに6回観測されたが、震度1以上の有感地震は観測されていない。東海地域の陸上に設置したひずみ計には、異常な地殻変動は現れていないという。
気象庁は、震源の深さについて、14キロよりも深く、地震はプレート内部で発生した可能性もあるとして、今後、詳細に解析を進める。
想定東海地震の震源域のうち、遠州灘の領域でM5クラスの地震があったのは1997年10月11日以来。気象庁地震予知情報課は「97年の地震はプレート内部で発生したとみられる。海域のプレート境界付近でM5クラスの地震が発生するのは珍しい」としている。
冷静に推移見守る段階
里村幹夫静岡大理学部教授(固体地球物理学)の話 普段はフィリピン海プレート内部で起きる地震が多く、プレート境界付近で起きる地震は珍しい。圧縮軸の方向もプレートの沈み込み方向と同じで、嫌な地震であることは確か。ただ、これだけでは何とも言い難いのも事実。今後、同じような地震が続いたりマグニチュードが大きい地震が起きたりしたら、警戒が必要になってくるだろう。いずれにしても、まだ慌てずに冷静に推移を見守る段階だ。