尖閣諸島沖の漁船衝突事件や、福島第一原子力発電所の事故などの影響で、中国によくない印象を持つ日本人は8割近く、日本によくない印象を持つ中国人は3分の2近くと、いずれも2005年以降で最悪になったことが、両国で行われた世論調査で分かりました。
この世論調査は、日本のNPO法人と中国の政府系の新聞社が、ことし6月から先月にかけて行い、日本で1000人、中国で1540人が回答しました。日本人の中国に対する印象は「よくない」と「どちらかといえばよくない」を合わせて78%、中国人の日本に対する印象は「よくない」と「どちらかといえばよくない」を合わせて66%で、いずれも調査を始めた2005年以降で最悪になりました。日本人が中国によくない印象を持つ理由を複数回答で聞いたところ、「去年9月に、尖閣諸島沖で起きた漁船衝突事件を巡る中国政府の対応」が65%で最も多かったほか、「資源などの確保を巡る行動が自己中心的」が52%で3番目に多くなっています。中国人が日本によくない印象を持つ理由は「かつて中国を侵略したから」など歴史認識が依然として多くを占めているほか、41%が「福島第一原発の事故に対する日本政府の対応」を挙げました。一方、日本によい印象を持つ中国人の49%が「東日本大震災のときにみられた日本人の連帯感に感動した」と答えています。