JR大阪駅コンコースの待ち合わせ場所として親しまれた巨大砂時計が、兵庫県明石市に無償譲渡されていたことが分かった。砂時計は駅の改修に伴って昨年10月、ひっそりと姿を消したが、行き先などは公表されていなかった。同市は日本標準時の基準となる東経135度の子午線が通る市として知られ「『時のまち』のアピールに活用したい」とするが、設置場所などは未定。砂時計は静かに出番を待っている。
大阪駅ビルの管理会社「大阪ターミナルビル」(OTB)によると、砂時計は高さ4.5メートル、重さ5.75トンと巨大なもの。03年、約6000万円をかけて設置された。
同市などによると、譲渡は市側の要望によるもので、昨年10月の撤去直後、市施設に運搬された。同市政策室は「市民が親しめる場所に設置したい」といい、市立天文科学館なども候補の一つだった。ただ「撤去に合わせ、急いで譲ってもらったため、設置場所などの検討は後回しになっている。展示するにも予算も必要で、議会の議決がいる」としており、展示場所などは未定という。OTBは「明石市から議決を経るまで発表できないと聞いており、詳細は答えられない」としている。【亀田早苗】
毎日新聞 2011年7月26日 14時00分