伊藤忠商事大阪本社が15日付で大阪・船場からJR大阪駅の新ビルに移転する。12日には現大阪本社でお別れの式典があり、社員ら約750人が参加。約42年間、「船場の顔」として親しまれた「伊藤忠ビル」との別れを惜しんだ。
新本社はJR大阪駅のノースゲートビルディングで、オフィスタワーの高層階に入る。
この日の式典では、繊維部門の営業一筋で、ほとんど大阪勤務だった岡藤正広社長が「このビルで家庭よりも長い時間を過ごした。隅々に思い出が詰まっている」とあいさつ。11日には社員ら約150人が本社周辺の路上などで清掃に取り組んだ。
現本社は1969年、創業100周年記念の一環で建設。98年に売却した後も賃貸で入居した。OBの一人で生駒市の増井司さん(74)は「入社当時は自社ビルを持つ他の商社がうらやましかった。このビルができて日本をリードする会社になろうという意識が芽生えた」と懐かしんだ。